<新興国eye>タイ中銀、政策金利を据え置き―全員一致で

新興国

2019/12/19 11:48

 タイ中央銀行は18日の金融政策委員会で、政策金利である翌日物レポ金利を全員一致で現状の1.25%に据え置くことを決めた。市場予想通りだった。

 中銀は15年4月まで2会合連続で利下げしたあと、同6月から据え置きに転じ、18年11月まで28会合連続で現状維持を決めたが、同12月に11年以来7年ぶりに利上げに踏み切った。その後、19年2月から6月まで4会合連続で現状維持を決め、同8月に0.25ポイント引き下げた。同9月は現状維持としたが、前回11月会合で3カ月ぶり年内2回目の利下げを決めていた。

 中銀は会合後に発表した声明文で、「タイ経済の成長率は(貿易摩擦や世界経済の減速などによる)輸出減少で内需と雇用が悪影響を受け、従来予想と潜在成長率を下回る低い伸びとなる見通しだ」と景気の先行きに懸念を示した。また、インフレ見通しについては、「インフレ率の全体指数は物価目標のレンジの下限を下回る見通し」と鈍化を懸念。その上で、「前回会合での一段の金融緩和スタンス(利下げ)が経済成長の持続に寄与し、全体のインフレ率が物価目標に向かって上昇するのに役立つ」とし、現状維持を決めたとしている。

 今回の会合では19年と20年の最新の経済予測が発表された。それによると、19年のGDP(国内総生産)伸び率は前回9月予想時点の2.8%増から2.5%増に、20年も3.3%増から2.8%増に下方修正された。インフレ見通しについては、19年のコア指数が0.6%上昇から0.5%上昇に、20年も0.9%上昇から0.7%上昇にいずれも引き下げられた。全体指数も19年は0.8%上昇から0.7%上昇に、20年も1%上昇から0.8%上昇にいずれも引き下げられた。

 次回会合は20年2月5日に開催される予定。

<関連銘柄>

 タイSET<1559.T>、iS新興国<1362.T>、アジア債券<1349.T>、

 上場EM債<1566.T>、上場MSエマ<1681.T>、アセアン50<2043.T>

提供:モーニングスター社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ