<新興国eye>チェコ中銀、賛成多数で据え置きを決定―2委員は利上げ主張
2019/12/19 11:48
チェコ国立銀行(中央銀行)は18日の金融政策決定会合で、政策金利の2週間物レポ金利を5対2の賛成多数で2.00%に据え置くことを決めた。今回の会合でも5人の委員が現状維持を支持したが、2人の委員は年内のインフレ上ブレリスクに対応するため、0.25ポイントの利上げを主張した。
中銀は18年6月会合で4カ月ぶりに利上げを再開。その後も同8月、9月、11月と4会合連続で利上げを決めたが、同12月に現状維持に転換し、19年3月まで3会合連続で現状維持とした。同5月会合で18年11月以来半年ぶりに利上げを再開したが、同6月は現状維持とし、これで現状維持は5会合連続となる。
中銀は会合後に発表した声明文で、現状維持を決めた理由について、今回の会合でも中期的にインフレが抑制される見通しを挙げた。「今回の政策決定は最新の11月経済予測に基づく。予測ではインフレ率は今後数四半期にわたり、物価目標の容認レベル(1-3%上昇)の後半(2-3%上昇)に近い水準となる」とし、年内はインフレ率がやや高めになるとしたものの、「20年には徐々に低下し、経済予測の期間中、すなわち、20年後半から21年初めには2%上昇の物価目標に向かって収束する」との見方を示した。
景気見通しについては、「最近のチェコ経済の状況は、インフレ率は予測を上回る高い伸びとなっている一方で、GDP(国内総生産)と賃金の伸び率は予測を下回り一段と緩やかになっている」とし、さらに、「国内経済に影響を与える世界経済の先行き不透明感はやや緩和したものの、すでに国内経済は輸出減速の影響をかなり受けている」と景気の先行きに懸念を示した。その上で、「市場金利は今後数四半期にわたり、予測を下回る水準に低下するリスクがある」とした。
<関連銘柄>
iS新興国<1362.T>、上場EM債<1566.T>
提供:モーニングスター社
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