<年末年始特集>ドル・円は小幅レンジが継続―ECB緩和見直しでユーロ・円上昇か(3)
2019/12/30 18:12
有識者の見解を別の角度からみると、米中貿易協議の第1段階での合意は順調に進み、知的財産権や技術移転問題など第2段階以降の合意は米大統領選以降にズレ込む公算が大きそうだ。トランプ大統領は自身の再選を果たすことを目指し、株式市場の活況を促す発言を繰り返すと想定され、中国側も米現政権と政策の異なる民主党左派が躍進するよりトランプ大統領のほうが与しやすいと考えるため、リスクオフに振れにくく、ドル・円は過去2年間と同様に年間10円以内の値幅で推移するとみられる。
また、ユーロ・円は行き過ぎた金融緩和の調整観測が根強く、ドル・円よりは若干値幅が広がりそうだ。一方、FRB、ECB、日銀が金融政策を大きく動かさないとみられる中、他の先進国、資源国、新興国では個別で景気減速懸念や弱い経済指標を受けて追加利下げや利下げ開始に踏み切るケースも多くなるとみられる。ドル・円、ユーロ・円のほか、クロス・円の動きからも目が離せない展開となりそうだ。
(有村 孝浩)
提供:モーニングスター社
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