米1月コアCPI、前月比0.2%上昇―前年比2.3%上昇

経済

2020/2/14 9:26

<チェックポイント>

●全体指数、前年比では1年3カ月ぶりの高い伸びに

●アパレル、航空運賃、病院など上昇

●3月FOMCでも金融政策は据え置きとの見方が大勢

 米労働省が13日発表した1月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコアCPI(価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたもの)が前月比0.2%上昇と19年12月の0.1%上昇を上回る伸びとなったが、市場予想と一致した。また、前年比は2.3%上昇と前月と伸びが一致した。

 エネルギーと食品を含めたCPI全体指数(季節調整後)は前月比0.1%上昇と、4カ月ぶりの低い伸びとなり、市場予想の0.2%上昇を下回った。ガソリン価格が前月比で1.6%低下と、12月の3.1%上昇から大幅に減速したことが主な要因。食品は0.2%上昇と前月の伸びと変わらなかった。一方、前年比では2.5%上昇と、18年10月の2.5%上昇以来、1年3カ月ぶりの高い伸びとなった。

 前月比の内訳は、アパレルが0.7%上昇(12月は0.1%上昇)、航空運賃は4カ月ぶりの料金引き上げで0.7%上昇(同0.6%低下)、メディカルケア(処方箋代や病院治療費)のうち、病院が0.8%上昇(同0.2%上昇)となった。特に、CPIの構成ウエートが高い賃貸住宅の家賃やホテル宿泊料などの「シェルター」価格(家賃・宿泊費)が0.4%上昇(同0.2%上昇)と、前月の2倍の伸びとなった。

 対照的に、中古車(乗用車とトラック)が1.2%低下(同0.4%低下)となったほか、医薬品や医療機器など医療関連用品は0.6%低下(同1%上昇)、自動車保険は0.2%低下(同0.1%上昇)となった。

 前年比の内訳は、たばこ・喫煙具が5.4%上昇、メディカルケアが5.1%上昇、病院は3.8%上昇、シェルター価格は3.3%上昇、運輸サービスは0.7%上昇。運輸サービスのうち、自動車修理は3.2%上昇、航空運賃は2.7%上昇だった。自動車は新車が0.1%上昇だったが、中古車(乗用車とトラック)は2.0%低下となった。アパレルは1.3%低下だった。

 全体指数には含まれない項目では、エネルギー全体が前年比6.2%上昇と2カ月連続で前年水準を上回った。エネルギーのうち、ガソリンは12.8%上昇、重油は6.5%上昇だった。レストランなど自宅以外で提供された外食価格は3.1%上昇、食品は1.8%上昇となった。

 ニューヨーク債券市場で長期金利の指標である10年債利回りは、CPI発表直後に1.606%と、発表前の1.603%からほぼ変わらずとなった。全体指数は前年比で1年3カ月ぶりの高い伸びとなったものの、コアCPIは前年比の伸びが前月から変わらなかったため、市場では今後も低インフレが続けば、20年は利上げに転換する可能性は低いとみている。また、中国湖北省で発生した新型コロナウイルス(COVID-19)による肺炎の感染拡大による米経済への影響が明確にならない限り、次回3月17-18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)でも金融政策は据え置かれるとの見方が大勢を占める。

提供:モーニングスター社

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