(再送)<新興国eye>カンボジアでも新型肺炎の感染者を確認、経済への影響懸念

新興国

2020/2/14 17:17

 1月27日、カンボジア保健省は、中国湖北省武漢からカンボジア・シアヌークビルを訪れていた中国人男性1名が新型コロナウイルスに感染していることを確認し、隔離したことを発表しました。感染が確認されたのは、武漢から観光でカンボジアを訪れた中国人の60歳の男性です。男性は、家族とともに4人で武漢を出て、1月23日にカンボジア南部の観光地、シアヌークビルに到着したということです。男性は、1月25日に発熱などの症状が出たため、政府が検査を行った結果、新型のコロナウイルスへの感染が確認されたということです。

 在カンボジア日本大使館では、「新型コロナウイルスに関する注意喚起」を発出しています。カンボジアではマスクが品薄になるなど一部でパニック的な対応もあるようですが、正しい情報を基に十分な注意を払っていくことが肝要と見られます。

 今回の問題では、カンボジア経済への影響も懸念されます。中国は、カンボジアへの直接投資のほか、観光客などで重要な役割を果たしています。「中国がくしゃみをすると、カンボジアは風邪をひく」と言われる関係にあり、中国経済のスローダウンは、様々な経路でカンボジア経済に影響を与えるものと見られます。

 第1に、中国からの不動産投資です。19年のオンラインカジノ禁止もあって、シアヌークビルの不動産は頭打ちとなっている状況でしたが、今回の新型肺炎でダブルパンチとなることが懸念されます。次に観光です。カンボジアと中国の地方都市を結ぶ路線が数多く開設されてきましたが、既にシアヌークビル便は多くの欠航が出ている模様であり、国別で第1位の中国からの観光客数が減少することが懸念されます。19年から既にシェムリアップへの観光客数は減少しており、影響の度合いを注視していく必要があるものと見られます。また、サプライチェーンへの影響も懸念されています。カンボジアに進出した日系製造業の調達先に占める中国の割合は、ASEANで最も高い26.9%となっており、中国からの部品輸入等が滞ることが懸念されます。

【筆者:鈴木博】

1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。1982年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。07年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin-Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。

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提供:モーニングスター社

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