来週の日本株の読み筋=新型肺炎リスクは重しも「官製相場」続き下値固い
来週(17-21日)の東京株式市場は、新型肺炎リスクは重しながら、「官製相場」が続き、下値は固いとみられる。今週(10-14日)は、新型コロナウイルスによる肺炎の感染者数が中国の集計方法の変更もあり急増した。日本でも初の死亡例が報告され、感染経路不明の患者の存在が複数明らかになるなど投資家心理を冷やすニュースが相次いだ。企業業績にも不安要素が多く、当面は新型肺炎の感染状況をにらみつつ、「峠を越えるのを待つしかしない」(中堅証券)との声が聞かれる。
もっとも、米国では11月に大統領選挙があり、再選を果たしたいトランプ米大統領はあらゆる手段を尽くして株高を演出する公算がある。中国でも新型肺炎に対応した経済支援策を打ち出すとの期待が根強い。世界的な低金利下にあって、潤沢なマネーが株式市場に流入する構図に変化はないとみられる。
スケジュール面では、国内で17日に19年10-12月期GDP(国内総生産)、19日に1月貿易統計、1月機械受注、21日に1月消費者物価が発表される。海外では19日に米1月生産者物価、米1月住宅着工件数、1月28-29日開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録、20日に米1月CB(コンファレンス・ボード)景気先行総合指数、21日に米1月中古住宅販売件数などが予定されている。
14日の日経平均株価は続落し、2万3687円(前日比140円安)引け。中国での新型肺炎の感染拡大懸念から13日の米国株式が下落した流れを受け、売りが先行した。株価指数先物売りを交え、下げ幅は一時220円を超えた。一巡後は、円弱含みや、中国・上海総合指数、香港ハンセン指数の上げ転換もあって、下げ渋ったが、戻りは限定された。市場では、「25日線(2万3654円)を割り込むと下方の『マド』(5日高値2万3414円-6日安値2万3625円)埋めや75日線(2万3479円)、さらには2万3000円が意識されるが、下値では押し目買いや買い戻しが入ってくるとみられる」(準大手証券)との見方があった。
提供:モーニングスター社
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