<無料公開>株安連鎖でNYダウ続急落、日経平均は2万2000円攻防か――テレワークや宅配関連に商機も

 連鎖的な株安が起きている。25日の米国市場でNYダウは大幅に値下がりし、前日比879ドル安の2万7081ドルで引けた。前日の1031ドル安に続く急落により、取引時間中には2019年10月末以来の2万6000ドル台に突っ込んだ。半年ぶりの安値水準に沈んだきっかけは、世界で猛威を振るい始めた新型コロナウイルス。ただ、従来から一部で指摘されていたハイテク株の割高感や、大統領選における民主党指名争いでの急伸左派サンダース上院議員の躍進なども意識された可能性がある。

 NYダウは24、25両日で1911ドル下落し、2営業日での下げとしては18年2月2日、5日の計1840ドルを上回る。新型コロナウイルスをめぐっては、米疾病対策センター(CDC)が25日に、米国でも継続的な感染が発生する見通しを示した。発生源の中国から日本、韓国、イタリア、中東などに広がる同ウイルスの波が、米本土も直撃するシナリオが警戒された格好だ。

◎「米影響限定的」の認識見直し

 三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、「新型コロナウイルスによる米経済への影響は限られるという従来の市場のコンセンサスが、ここ数日で急速に見直されつつある」と話す。イベントの中止や外出自粛で消費減速が必至の日本経済へのダメージも想定される中、「日経平均はひとまず2万2000円の攻防が視野に入る」。

 ただ、こうした状況でも商機が広がる産業はある。例えば政府が企業に活用を呼び掛けるテレワーク。社員の感染が明らかになった電通グループ(4324)は本社ビルの従業員約5000人を対象に在宅勤務に切り替えると発表。また、資生堂(4911)も国内従業員の3割に相当する8000人を在宅勤務にする方針だという。

◎Vキューブなど騰勢、出前のライドオンHなども注目

 株式市場ではテレワーク関連株のブイキューブ(=Vキューブ、3681)がこのところ騰勢を強めている。関連株としてはリアルワールド(=Rワールド、3691・M)やソリトンシステムズ(3040)、セグエグループ(3968)、アセンテック(3565)、テラスカイ(3915)、ニューテック(6734・JQ)などがある。

 飲食店の客足に悪影響が出る一方、食事の宅配は需要が増える可能性がある。ライドオンエクスプレスホールディングス(6082)や出前館(2484・JQ)が有力だ。このほか、巣ごもり消費の拡大やヤフーを傘下に持つZホールディングス(4689)や楽天(4755)といったEコマース(=EC、電子商取引)にも追い風となる。

 学校の休校も増えそうだ。オンライン学習教材を手掛けるすららネット(3998・M)のほか、通信教育大手のベネッセホールディングス(9783)や学研ホールディングス(9470)、通信教育「スマイルゼミ」を手掛けるジャストシステム(4686)、オンライン英語学習サービスのEduLab(4427・M)などにも注目したい。

(イメージ写真提供:123RF)

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