＜無料公開＞米株暴落しＮＹダウ２０００ドル超安、一時初の取引中止に「リーマン・ショック彷彿」の声――１０日の日経平均は１８年末安値攻防か
米国市場で９日、ＮＹダウが前日比で２０００ドル超下落した。急落時に取引をいったん停止する「サーキットブレーカー」が２０１３年の導入後で初めて発動された。新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、昨年から今年初旬かけての米国株をはじめとする株高の流れの逆回転が鮮明だ。原油安も直撃し、リスクオフに歯止めが掛からない状況が続いている。
同日のＮＹダウは２０１３ドル（７．８％）安と過去最大の下げ幅を記録し、２万３８５１ドルで取引を終えた。２月に付けた史上最高値からは既に２割下落し、市場関係者からは「（０８年の）リーマン・ショックを思い出す下降だ」という声も聞かれた。
米国では新型コロナウイルスの感染者数が６００人を上回り、カリフォルニア、ニューヨークの両州で非常事態宣言が発動された。欧州でもイタリアを中心に感染が急拡大する中、渡航制限や経済活動の自粛による世界的な景気後退懸念が強まっている。
一方、産油国の足並みの乱れが招いた原油相場の急落も、マーケットに暗い影を落とす。原油安が物価の下押しにつながるだけではなく、産油国の収入減が新たな信用リスクや、損失補てんの株売りに発展する可能性をはらんでいる。マイナス金利を導入している日本と米国株の金利差は縮小する方向にあり、一段の円高による日本企業の収益悪化懸念も高まった格好だ。
９日に２万円の大台を１年２カ月ぶりに割り込んだ日経平均株価は、きょう１０日も米株暴落による不安定な値動きが予想される。心理的フシ目の１万９０００円や、１８年１２月末に付けた安値１万８９４８円の攻防が意識される。なお、米シカゴ・マーカンタイル取引所（ＣＭＥ）の日経平均先物は日本時間午前８時前の時点で１万８８００円台後半で推移している。
（イメージ写真提供：１２３ＲＦ）
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