<米国株情報>米JPモルガンなど金融大手9社、パンデミック受け自社株買い一時停止へ

株式

2020/3/17 10:35

 米金融大手のJPモルガン・チェース<JPM>やバンク・オブ・アメリカ<BAC>、シティグループ<C>など大手金融機関8社で構成するファイナンシャル・サービシズ・フォーラム(FSF)は15日、緊急声明を発表し、中国で発生した新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック(感染症の世界流行)の米経済への悪影響に対処するため、株主への利益還元策となっている自社株買いを1-3月期と4-6月期の2四半期にわたり、一時停止することを明らかにした。

 自社株買いは1株当たりの利益を上昇させるため、株価を押し上げる効果があり、株主への利益還元策の1つとなっている。JPモルガンだけでも19年10-12月期はネットベースで60億ドル超の自社株買いを実施した。

 金融機関の自社株買いに対しては民主党の大統領候補であるサンダース上院議員(バーモント州)が厳しく批判しており、15日に1.00ポイントの緊急利下げを発表したFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長も会見で、金融機関に対し、資本バッファー(リスクを吸収するために必要なクッション)を開放し、景気支援のため、企業や家計への貸し出しを増やすよう指示したことを明らかにしている。これを受け、FSFも声明文で、「われわれの莫大な資本と流動性は個人や中小企業、さらには幅広く経済全体に最大限の支援を提供することを目的としている」と述べている。

 一方、FSF非加盟の米金融大手ユー・エス・バンコープ<USB>も15日、パウエル議長の指示に従って、1-3月期と4-6月期の自社株買いを一時停止すると発表した。同行の自社株買いプログラム(6月末終了)では19年12月末時点で24億1000万ドル相当の自社株買いが未実施となっている。

 パンデミックによる米国を含め、世界景気の減速懸念が強まり、金融セクターの株価は急落しており、JPモルガンとモルガンスタンレーは年初来でいずれも25%超、シティグループも36%超と大幅に下落している。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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