買い場訪れた日本(2)――気が付けば相対的優位、楽観シナリオ浮上

新型コロナ

2020/3/19 17:32

 足元で爆発的に患者数が増えている欧米や、峠を越える前の中国に比べ、日本での新型コロナウイルスの感染拡大は穏やかだ。背景として検査体制の違いが指摘されているが、円安も相まって、とにもかくにも株式市場では相対的に日本が優位になりつつある。

検査不足が吉と出る

 厚生労働省によれば2月18日~3月16日の国内におけるPCR検査の件数は3万3212件にとどまる。韓国では20万人以上に実施されていることを踏まえると、確かに低い水準かもしれない。一方で、いわゆる「医療崩壊」の回避につながっていることも事実だ。

 政府の方針では、高齢者や基礎疾患を持つ人を優先的に受診させている。実際、発熱や咳(せき)の症状を病院で訴えても、PCR検査を受けられなかったという話をニュースなどでよく耳にする。悪く言ってしまえば「だましだまし」の対応が、表向きの感染者数を抑制している可能性は否定できない。

 こうした状況には賛否あるものの、少なくとも株価の動きにとっては吉と出ている。新型コロナの感染者数が200人を上回った時点から、現在(18日)に至るまでの拡大幅とその間の主要株価指数の下落率を比べると、156倍のイタリア(FTSE MIB)が35%、47倍のドイツ(DAX)、43倍のフランス(CAC)がそれぞれ30%、39倍の米国(NYダウ)が26%と明確な関係性がある。4倍どまりの日本は、日経平均の下落率も23%と相対的に小さい。

感染しにくい土壌か

 もちろん検査方針の転換や、韓国ような大規模な「クラスター(感染者の集団)」の判明によって感染者が大幅に増えないとも限らない。ただそれ以前に、日本社会には伝染病がまん延しにくい土壌があるとも考えられる。もともと病的なほどの清潔さは感染対策を苦にせず、欧米のように握手やハグの習慣もない。安倍政権のもくろみ通り、ピークを遅く小さく抑え込めれば、マネーはおのずと日本に向くだろう。

 株式新聞ではかねてから、先行指標的な存在としてオリエンタルランド(=OLC、4661)の値動きに注目してきた。昨秋の高値から3割強値下がりした同社の株価は、運営する東京ディズニーリゾート(TDR)の臨時休園を発表した2月28日に反転。いわゆる「アク抜け」となり、その後いったんは突っ込んだもののすぐに切り返している。

 OLCの相場展開は、日本株全体の推移を先取りしているようにもみえる。やや乱暴ではあるが、日経平均に当てはめれば「TDRの休園」は「東京五輪の延期」だろう。開催可否の判断までにそう長くはかからないはずだ。

春遠からず、されど短く

 一方、文字通り「春」も遠くない。サッカーのJリーグ再開が4月3日で、プロ野球の開幕は同10日以降に予定されている。件(くだん)のTDRの開園もそのあたりとみられ、休止中の他のテーマパークも相次ぎ稼働を開始する可能性がある。休校要請も解除され、ヒトの動きが一気に活発化することが予想される――。

 株式新聞が考える日本株の反発シナリオ。そこには多分に楽観論も盛り込まれている。しかしそれは、コロナ・ショックの初期から警鐘を鳴らしてきたセンサーに基づくもの。そして同時に、春はさほど長く続かないかもしれないということも念頭に置くべきだ。日本経済を襲い得る第2のショックについては、別の機会に考えたい。

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