【株式新聞・総力配信】「東京封鎖」あるか?(1)――新型コロナに感染爆発の兆し

 東京の「ロックダウン(都市封鎖)」がにわかに現実味を帯びてきた。25日に新型コロナウイルスの感染者数が都内で新たに40人超見つかったことを受け、小池都知事が会見し、今週末の不要不急の外出自粛や平日の在宅勤務を呼び掛けた。

◎「自粛疲れ」一転、買いだめ再び

 新型コロナの感染拡大が比較的穏やかだった日本だが、東京では3月中旬からそのペースがじわじわと上昇していた。そして25日、1日当たりの陽性件数が、それまで最大だった前日の17人から一気に約2.5倍に膨らんだ。「自粛疲れ」ムードの広がっていた状況が一変した。

 「感染爆発の重大局面」(小池都知事)。改めて新型コロナへの警戒感が強まった。

 スーパー「西友」の都内のある店舗は、小池都知事の会見予定の一報が伝わってから間もない夜7時台の段階で、カップ麺(めん)や冷凍食品などを買い求める消費者で込み合った。「コメは残ってたっけ?」。会社帰りとみられるサラリーマン風の男性は電話口でそう尋ねると、ところどころ空になっている陳列棚に手を伸ばした。

 厚生労働省は3月21日時点で、従来の対策のままでは都で同月19日~4月8日の期間に計530人の感染者が新たに発生すると試算していた。しかし、初週(3月19〜25日)は予想(51人)の2倍の101人に上り、想定以上の速度で増えている。

 新型コロナをめぐっては、欧米をはじめとする世界の多くの都市で私権制限にまで踏み込んだ緊急事態宣言が発令され、食品店、薬局などを除く店舗の閉鎖や、厳しい外出規制といった措置が取られている。日本政府も近く、同宣言の前提となる、改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づく政府対策本部を立ち上げると伝わっている。

◎冷食やEC、デリバリーに存在感

 こうした中、都市封鎖の思惑を手掛かりに浮上する銘柄もありそうだ。

 まずは食品や生活必需品。非常事態を予期した消費者が買いだめに走る動きが一段と強まれば、カップ麺や冷食のほかにもパスタ類など日持ちのするものが品薄になりかねない。トイレットペーパーをはじめとする日用品も、さらに手に入りにくくなる可能性がある。

 小売の業態ごとの売上は、コロナ・モードが強まった2月の実績からドラッグストアやスーパー、コンビニエンスストアの好調と、百貨店の不調が見込まれる。また、居酒屋やレストランの事業環境は厳しくなる一方、デリバリーや宅配食のサービスは繁忙が予想される。EC(=Eコマース、電子商取引)依存の高まりは言うまでもない。

◎やはりテレワーク、ネットメディアも

 いわゆる「リモート」の対応もより多く求められることになる。小池都知事が「できるだけ仕事は自宅で」と呼び掛けており、テレワークの導入がさらに加速しそうだ。また、小中高の一斉休校要請の解除にも不透明感が増し、遠隔学習の関連株が再び注目される可能性がある。企業は、新入社員の研修などについても対応を迫られる。

 娯楽に関しては、自宅に居る時間が長くなることでインターネット系のメディアや電子コミック、ゲームの利用頻度が高まることが予想される。さらに、DVDなどのレンタルや、マスクの手作りも含めた手芸、DIYにも関心が向かう。

 足元の日本株の急反発は、新型コロナの影響が欧米各国よりも薄かったことも要因の一つとみられる。それだけに、ここへきて増した感染の勢いは手痛い材料だ。米シカゴのマーカンタイル取引所の日経平均株価先物の25日の清算値は1万8950円と、同時の日経平均(1万9546円)を下回る。

 次項では、都市封鎖に関連する個別株に迫る。

(イメージ写真提供:123RF)

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