来週の東京外国為替市場見通し=新型コロナ感染拡大をめぐる動向に引き続き注意

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2020/3/27 16:59

予想レンジ:1ドル=105円00銭-112円15銭

 23-27日のドル・円は下落した。週初23日、新型コロナウイルス感染拡大を背景に日本を除く世界の株式市場が大幅安となり、いったん落ち着いた「有事のドル買い」が再燃した。一方、FRB(米連邦準備制度理事会)が国債などの資産を無制限で買い入れると発表した。24日から25日にかけてはもみ合い。米国の巨額の経済支援策が与野党で合意するとの期待感を背景に世界の株式市場が総じて持ち直し、リスク回避のドル買いが巻き戻される場面があった。26日、首都圏1都4県が週末の外出自粛を呼びかける事態を嫌気したほか、パウエルFRB議長がテレビ出演し、追加緩和を進める用意があることを示唆し、ドル売り・円買いが一段と進んだ。27日東京時間もドル・円は下値を模索する展開となり、午前中に1ドル=108円ちょうど近辺に迫った。

 新型コロナウイルスの感染はWHO(世界保健機関)が11日にパンデミック(世界的流行)を宣言して以降も拡大の一途をたどっている。これに際し、G20(主要20カ国・地域)首脳によるテレビ会議が26日(日本時間夜)に行われ、治療薬などの開発を加速させるとともに、強大な経済財政政策を実施すべきとの認識が共有された。各国が財政出動、各国中銀が金融緩和措置にと総動員の構えをみせているものの、今後もウイルス感染拡大の動きが加速するか鈍化するかに市場心理が揺さぶられる基調は続きそうだ。

 米経済指標では、3月ADP雇用統計、3月ISM製造業景気指数、3月雇用統計、3月ISM非製造業景気指数などが発表予定となっている。ほとんどの指標の市場予想は大幅な悪化が見込まれているが、仮に市場予想より良い結果だったとしても、先行き不透明感が和らがなければ、反応薄で終わる可能性もある。

 ドル・円のレンジは、下値メドがフシ目の105円、上値メドは2月の高値112円15銭近辺。コロナショックが猛威を振るう中、値幅が大きく振れやすい展開に気を付けたい。

提供:モーニングスター社

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