コロナ・ショックから巻き返し―大幅調整のヒトコムHDに注目

株式

2020/3/27 17:33

 新型コロナウイルスがもたらした世界的なショック安を背景に、小型株を中心に暴落した銘柄が少なくない。しかし、全体相場の下げ一服も相まって、その一角に反騰機運が高まっている。

 1月末-3月26日までの東証1部の下落率ランキングで1位は74.7%のコシダカホールディングス<2157.T>だった。カーブスホールディングス<7085.T>のスピンオフに伴う権利落ちが影響した。これはいわば特殊要因だが、下落率69.2%で2位のクリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387.T>は外出自粛が直撃する飲食店。また、62.1%で4位のシンクロ・フード<3963.T>も飲食店関連銘柄と、事業環境の悪化を反映している。

 一方で、下落率62.4%で3位のヒト・コミュニケーションズ・ホールディングス<4433.T>は、「インバウンド(訪日外国人観光客)関連株」という市場の印象が過剰に下げに作用した可能性がある。

 同社は確かに観光人材サービスなどの「インバウンド・ツーリズム事業」を展開するが、その売上構成比は全体の1割程度にすぎない。収益の柱は、傘下のEC(=Eコマース、電子商取引)支援大手ビービーエフを中心としたECやテレビショッピングなどのデジタル営業支援。このためむしろ、「巣ごもり関連」としての側面が評価されてもおかしくない。

 ヒトコムHDはROE(自己資本利益率)、ROA(総資産利益率)が2ケタと資産効率に優れ、いわゆる「稼ぐ力」が注目されるほか、キャッシュフローに関する「流動比率」も200%近く安全性が高い。

 人材サービス業から営業支援サービス企業への体質変化が進む同社の競合としては、インフォマート<2492.T>やウォンテッドリー<3991.T>が挙げられる。両社の株価とのパフォーマンスを比べてもヒトコムHDは割り負け感があり、巻き返しの余地は大きい。

提供:モーニングスター社

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