日経平均は304円安と大幅反落、下げ幅縮小の流れ、日銀ETF買い期待に米株先物高も支え=30日後場

 30日後場の日経平均株価は前週末比304円46銭安の1万9084円97銭と大幅反落。朝方は、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に27日の欧米株式が大幅に下落した流れを受け、リスク回避の売りが先行した。円高も重しで、3月期末配当落ち分(約180円)の影響も下押し要因となり、一時1万8578円20銭(前週末比811円23銭安)まで値を崩した。国内での感染者増加、景気悪化への懸念も売りにつながった。一巡後は、大引けにかけて下げ幅縮小の流れとなった。日銀のETF(上場投資信託)買い期待とともに、時間外の米株価指数先物が切り返し、支えとなった。

 東証1部の出来高は19億2444万株、売買代金は3兆1480億円。騰落銘柄数は値上がり492銘柄、値下がり1620銘柄、変わらず34銘柄。

 市場からは「日銀のETF買い観測や、時間外の米株先物の持ち直しが下げ渋りにつながった。もっとも、米国では新型コロナ感染者数がすでに世界最多となり、日本でも感染者が増え続け、緊急事態宣言に向けて推移しており、先行きは明るくない。当面、動きづらい」(準大手証券)との声が聞かれた。

 業種別では、JAL<9201.T>、ANA<9202.T>などの空運株が下落。三菱UFJ<8306.T>、三井住友<8316.T>、みずほ<8411.T>などの銀行株や、MS&AD<8725.T>、東京海上<8766.T>などの保険株も売られた。出光興産<5019.T>、JXTG<5020.T>などの石油石炭製品株や、コマツ<6301.T>、IHI<7013.T>などの機械株も軟調。

 半面、東電力HD<9501.T>、関西電<9503.T>などの電気ガス株が堅調。ニチレイ<2871.T>、味の素<2802.T>などの食料品株や、中外薬<4519.T>、塩野義薬<4507.T>などの医薬品株も買われた。

 個別では、オルトプラス<3672.T>がストップ安となり、APC<3175.T>、ぴあ<4337.T>、ランビジネス<8944.T>、一蔵<6186.T>、橋本総業HD<7570.T>などが値下がり率上位。半面、藤久<9966.T>、Vキューブ<3681.T>、セグエ<3968.T>、ヒトコムHD<4433.T>がストップ高となり、シンシア<7782.T>などの上げも目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、27業種が下落した。

(イメージ写真提供:123RF)

提供:モーニングスター社

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