【小型株ピックアップ】人工呼吸器など材料豊富なイワキ、ETSHDは老朽鉄塔で新規顧客獲得

株式

2020/4/2 10:27

<イワキ>

 新型コロナ対策が全世界で最優先される局面において、医薬品や医薬品原料を手掛けるイワキ<8095.T>は選別物色の対象として有力だ。市場で関心の高い人工呼吸器、さらには治療薬でも思惑が向かう位置付けだ。

 新型コロナをめぐっては、重症患者の生命維持に使われる人工呼吸器がキーワードとなっている。世界的に需要が拡大する中で、日本でも関連株が物色された。同社は人工呼吸器のテスト用肺やシミュレーターを手掛けるだけに見逃せない存在だろう。肺に酸素を送り込むガスブレンダーも展開する。

 一方、直近では鳥居薬品<4551.T>から佐倉工場(千葉県佐倉市)を承継した。同工場はもともと、膵炎(すいえん)治療薬の「フサン」を製造している。フサンは日医工<4541.T>が開発し、現在では特許満了の長期収載品となっている。新型コロナ患者に投与されることで注目を集めた。

 イワキは今11月期の連結営業利益22億円(前期比4%増)を計画する。体調管理への意識が高まっていることで、得意とするビタミンCにも追い風が吹きそうだ。

<ETSHD>

 電気工事のETSホールディングス<1789.T>の目下の注目材料は鉄塔だ。耐用年数を経過した約12万基の更新需要が表面化しつつある。同社にも建て替えの依頼が発生したもようだ。

 電力分野では東北電力<9506.T>と関係が深いETSHDだが、このほど浮上した案件は西日本の新規顧客のもの。21年9月期までに5億円程度の売上につながるとみられる。

 前年の台風15号で古い鉄塔が倒壊した事故を受け、政府は3月末までに全国の電力会社に調査を指示した。そうした中で置き換えの動きが強まってきた格好。今後は老朽設備の多い関東や東北でもニーズが膨らむ公算。基幹送電線をはじめとする高難度の工事の実績も豊富なETSHDは、その受け皿として有力視される。

 足元では東北・東京間を連携する送電線の大型プロジェクトも始動し、同社は繁忙期入りに備えて人材採用を強化している。また、再生可能エネルギー発電向けの変電所や、5G関連の工事でも商機が多い。

提供:モーニングスター社

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