<新興国eye>トルコ中銀、追加の流動性供給対策を発表―ウイルス感染対策で

新興国

2020/4/2 11:01

 トルコ中央銀行は3月31日、中国で発生した新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック(感染症の世界流行)によるトルコ経済への悪影響を緩和するため、3月17日に発表した金融システムへの流動性供給対策を一段と強化するための追加措置を明らかにした。

 追加措置は銀行への流動性供給を一段と強化することや、企業への融資が途切れないようにすること、また輸出企業への金融支援を強化することなどが狙いとなっている。

 具体的には、プライマリーディーラー(中銀との直接取引を認められたディーラー)への流動性供給を一段と拡大するため、プライマリーディーラーは失業保険基金から購入した国債を期間限定で、トルコ中銀に売却することを承認する。また、中銀による資産買い入れオペを通じた金融システムへの流動性供給に関しても、金融市場の状況に応じて前倒しで実施することを可能し、買い入れ額の上限などの制限も調整できるようにすることで機動性を高める。

 さらに、中銀は輸出企業の資金調達を支援するため、輸出企業に600億リラ(約6.5兆円)を限度とした再割引信用状を付与し、再割引で適用される金利も政策金利を1.50ポイント下回る水準(8.25%)とする。

 このほか、中銀は銀行に6カ月物のトルコリラ資金を供給するため、通貨トルコリラとドルやユーロ、金との通貨スワップ入札を実施する。それにより、銀行は政策金利を1.25ポイント下回る水準(8.50%)でトルコリラを調達することが可能になる。中銀によるトルコリラと外貨のオペで、銀行は国債以外にABS(資産担保証券)やMBS(不動産担保証券)も担保として利用できるようにする。

<関連銘柄>

 iS新興国<1362.T>、上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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