来週の東京外国為替市場見通し=ロックダウン3週目のNYに関心、週末の手じまいにも注意
予想レンジ:1ドル=105円00銭-111円70銭
3月30-4月3日のドル・円は方向感が乏しかった。週明け3月30日、「5・10日(ごとおび)」に伴う実需のドル買いなどを支えに持ち直した。31日は月末・年度末で引き続き実需のドル買いがドル・円をサポートした。ただ、FRB(米連邦準備制度理事会)がドル供給を目的とした緊急措置の発動を決めたことでドル需給が緩むとの見方が広がってドル売りが優勢となった。4月1日、トランプ米大統領が新型コロナウイルスの先行きに厳しい見方を示したことが嫌気されてドル売りが加速。2日は、ロシアとサウジアラビアの協調減産期待などで原油先物価格が上昇し、リスクオンのドル買い・円売りが優勢となった。
1日の米3月ADP雇用統計は市場予想ほど悪化しなかったものの市場はネガティブな反応をみせた。2日の新規失業保険申請件数が過去最大だった前週の330万件からさらに2倍の664万件超に膨らむなど米雇用情勢は悪化の一途をたどっている。3日は米3月雇用統計が発表されるが、投資家心理が冷え込むなかで悪材料には神経質に反応しそうで、少なくともドル・円が反転するような材料とはならないだろう。結果次第ではドル売り・円買いが加速する可能性が高い。
6-10日の週も引き続き新型コロナウイルスの感染状況が最大の関心事となる。週後半には米3月PPI(生産者物価指数)や米3月CPI(消費者物価指数)、中国3月CPIやPPIと、重要な経済指標が相次ぐ。新型コロナの影響が色濃く現れるとみられ、落ち込み度合いによっては悲観的な見方を一層強める材料になりそう。米CPIが発表される週末10日は聖金曜日で欧米の株式市場が休場となる。悪化が見込まれる経済指標の発表を前に手じまいの動きが強まる可能性があることは留意したい。
一方、イタリアではロックダウン(都市封鎖)から3週間で日々の感染者数がほぼ横ばいとなり、イタリア当局はピークに達したとの見解を示している。スペインも感染者数の増加ペースに鈍化がみられる。ニューヨークは11日でロックダウンから3週間となるため、今後の感染者数情報には特に注目だ。
ドル・円の上値めどは3月高値の111円70銭近辺。目先は13週移動平均線や26週線などが集中する108円70銭近辺や109円ちょうどが意識される。下値めどは心理的フシ目の105円ちょうど。
提供:モーニングスター社
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