RBA、市場予想通り政策金利を据え置き―量的金融緩和措置も現状維持

経済

2020/4/7 15:49

<チェックポイント>

●「4-6月期は大幅マイナス成長、失業率も数年ぶり高水準」との見通し

●「感染収まれば大規模財政刺激策と大幅金融緩和で景気回復」との見方示す

●「政策金利は現在の低金利の水準で数年間続く」と見通し

 豪準備銀行(RBA)は7日の理事会で、政策金利であるオフィシャルキャッシュレート(OCR、銀行間取引で使われる翌日物貸出金利)の誘導目標を過去最低の0.25%に据え置くことを決定。市場予想通りだった。

 また、前回の3月19日の緊急会合で導入を決めたRBA初の量的金融緩和(QE)措置も据え置いた。

 QEは、金融システムのへの流動性を潤沢供給するため、900億豪ドル(約6兆円)規模の期間3年のタームローン(証書貸付)ファシリティ「TFF」を導入するほか、投資家による豪国債などの資産の換金売りで国債市場が一時機能不全となったことを受け、3年国債の利回りの達成目標を0.25%に設定した上で、3月20日から流通市場で国債買い入れを開始したもの。RBAは利回り低下により、住宅ローン金利の低下や家計の負担軽減を期待している。このほか、RBAは1カ月物と3カ月物、6カ月物のレポ取引(売り戻し条件付)オペを通じ、金融システムに流動性を潤沢に供給することも決めた。

 RBAは政策金利を据え置いた理由について、これまでの利下げ効果を見守りたい考えを示した。理事会後に発表した声明文では、「新型コロナウイルス感染拡大は世界各国の経済や金融市場に深刻な悪影響を及ぼしており、多くの国で経済成長率が大幅に縮小するとみられる」との見解を示したが、収束すれば世界景気が回復し、豪州政府の大規模財政刺激策と大幅なRBAの金融緩和により、豪州の景気を支えられるとした。

 また、豪州経済は4-6月期に大幅なマイナス成長を記録するとし、失業率もここ数年ぶりの高水準にまで上昇すると予想したが、「政府とわれわれの協調による財政刺激と金融緩和の政策により予想される経済の縮小を緩和し、ウイルス感染が収まり、規制が解除されれば、経済が回復軌道に乗ることを助ける」とも述べている。

 今後の金融政策の見通しについて、前回の緊急会合時と同様、「完全雇用に向けた進展がみられ、インフレが持続的に2-3%の目標範囲内に収まると確信するまで政策金利を引き上げない」と現在の低金利を今後数年間、継続するとのフォワードガイダンスを維持した。

 次回会合は5月5日に開かれる予定。

提供:モーニングスター社

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