<無料公開>海外決算、アップルとアマゾンが時間外で株安――ツイッターは最終赤字に

米決算

2020/5/1 7:54

◎アップル 4~6月予想は非開示

 アップル<AAPL>は4月30日、1~3月の売上高が前年同期比0.5%増の583億ドルになったと発表した。1株利益は2.55ドル(同3%減)だった。市場の想定に反して減収を免れ、利益のマイナス幅もアナリスト予想より小さく収まった。ただ、4~6月の収益予想を示さなかったことで、株価は時間外で下げに転じた。

 主戦場の中国で新型肺炎がまん延し、供給が一時不足したiPhone(アイフォーン)の売上高が前年同期比で7%減少し、中華圏の売上高も低迷した。しかし、音楽や動画配信、クラウドなどのサービス部門の収益が大きく伸びたことで、全体的には底堅い業績をキープした。

 一方、新型コロナウイルスが世界経済にもたらす影響は不透明だ。同社は4~6月の売上高予想の開示を見送った。同日の株価は前日比で2%強上昇して引けたが、決算発表を受けた時間外取引ではもみ合い後に下落している。

◎アマゾン 新型コロナ対応コスト膨らむ

 アマゾン・ドット・コム<AMZN>の1~3月決算は、売上高が754億ドル(前年同期比26%増、約8兆円)に拡大した一方、純利益は29%減の25.4億ドルに落ち込み、1株利益は5.0ドルと市場予想(6.3ドル)を大幅に下回った。株価は決算発表後の時間外取引で急落している。

 新型コロナの感染拡大に伴う外出規制で、ネット通販のニーズが大きく膨らんだ。その一方で繁忙対応の人員増や配送コストが利益を圧迫。営業損益は1~3月の39.9億ドルの黒字(前年同期比10%減)に対し、4~6月の予想レンジは15億ドルの赤字~15億ドルの黒字と損失の可能性を示した。

 30日の株価は前日比4%強の大幅高となったが、時間外では急反落した。

◎ツイッター 広告収入が減少

 ツイッター<TWTR>の1~3月売上高は8.1億ドル(前年同期比3%増)となったが、最終損益は839万ドルの赤字(前年同期は1.9億ドルの黒字)に転落した。新型コロナによる広告収入の落ち込みが響いた。30日の株価は業績の不透明感が嫌気され、前日比7.8%の大幅安で引けている。

◎シェル 原油安で80年ぶり減配

 英蘭系石油大手のロイヤル・ダッチ・シェルの1~3月決算は、調整後純利益が前年同期比46%減の28.6億ドルとなった。同社は四半期配当を前四半期の1株当たり47セントから16セントに引き下げると発表。減配は80年ぶり。自社株買いも停止する。原油価格の暴落で株主還元の余裕を失った。30日は欧州市場で株価が1割超値下がりした。

(イメージ写真提供:123RF)

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