日経平均は38円安と5日ぶり小反落、売り一巡後に一時上げ転換も買い続かず=29日後場
29日後場の日経平均株価は前日比38円42銭安の2万1877円89銭と5日ぶりに小反落。朝方は、米中対立の激化懸念から28日の米国株式が反落した流れを受け、売りが先行した。直近4連騰の反動で利益確定売りが出やすく、寄り付き直後に2万1800円を割り込んだ。その後いったん下げ渋ったが、買いは続かず、再び軟化。時間外取引での米株価指数先物安が重しとなり、一時2万1710円80銭(前日比205円51銭安)まで下押した。一巡後は持ち直し、後場に入り上げに転じた。先物に断続的な買いが入り、一時2万1955円44銭(同39円13銭高)まで上昇する場面があった。ただ、買いは続かず、大引けにかけて弱含んだ。
MSCIリバランス需給の影響もあり商いが膨らみ、東証1部の出来高は23億8386万株、売買代金は4兆6423億円。騰落銘柄数は値上がり674銘柄、値下がり1438銘柄、変わらず58銘柄。
市場からは「海外勢の買い戻しが続いているようだ。中国政府が『香港国家安全法』の制定方針を決めたことを巡り、今晩、トランプ米大統領は会見し、中国へ制裁を科す見通しだが、ひょっとしたら厳しい内容にはならないではとの期待感があるようだ。また、香港ハンセン指数が下げ渋っているのも支えになっている」(銀行系証券)との声が聞かれた。
業種別では、日本製鉄<5401.T>、JFE<5411.T>、神戸鋼<5406.T>などの鉄鋼株や、川崎汽<9107.T>、商船三井<9104.T>、郵船<9101.T>などの海運株が下落。JAL<9201.T>、ANA<9202.T>などの空運株も安い。日産自<7201.T>、トヨタ<7203.T>、三菱自<7211.T>などの輸送用機器株も売られた。LIXILG<5938.T>、ニッパツ<5991.T>などの金属製品株も軟調。
半面、第一三共<4568.T>、中外薬<4519.T>、大塚HD<4578.T>などの医薬品株が堅調。テルモ<4543.T>、オリンパス<7733.T>などの精密株や、日本オラクル<4716.T>、NRI<4307.T>などの情報通信株も高い。ニチレイ<2871.T>、山崎パン<2212.T>などの食料品も買われた。
個別では、アイビーシー<3920.T>、ヨロズ<7294.T>、イワキポンプ<6237.T>、新電元<6844.T>、DLE<3686.T>などの下げが目立った。半面、マイクロニ<6871.T>、TOWA<6315.T>がストップ高となり、大幸薬品<4574.T>、イノテック<9880.T>、アニコムHD<8715.T>などの上げも目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、28業種が下落した。
(写真:123RF)
提供:モーニングスター社
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