<特集>「新しい生活様式」でマーク(4)=花王―増益基調をキープ、需給妙味も内包

株式

2020/5/29 18:10

 花王<4452.T>はマーク続行の対象になる。新型コロナウイルスの感染が警戒されるなか、日々の手洗いはもはや常識。同社のハンドソープや手指の消毒液などは売り上げを伸ばしている。供給を上回る需要増が続き、大幅に増産を進めている状態だ。また、同社が参画する新型コロナウイルスに関する共同研究で、感染抑制能(中和能)を有する抗体の取得に成功したことも引き続き注目される。

 4月27日に発表された20年12月期第1四半期(1-3月)の連結決算(IFRS基準)では、営業利益392億7900万円(前年同期比2.8%増)を確保した。新型コロナ禍に伴うインバウンド需要の減少や外出自粛により、化粧品事業やヘアサロン向け事業が大きく後退したが、衛生関連製品の需要拡大などでカバーした。通期では同利益2200億-2300億円(前期比3.9-8.6%増)を見込み、増益基調をキープする。

 株価は、3月17日の年初来安値6976円から4月8日の戻り高値9109円まで切り返し、その後は9000円を前にもみ合い商状となっている。ただし、日足一目均衡表の「雲」上に位置し、200日・75日・25日の各移動平均線を上回る水準にあり、先高期待を温存している。ちなみに、22日申し込み現在の信用取引残高は買い残が32万株強、売り残が16万株強と買い長状態。ただし、同日報告分の株券等貸借週末残高によると、借り手のカラ売りポジションにつながる貸付残高が有担保・無担保合計で2300万株超に上っており、需給妙味も内包している。

提供:モーニングスター社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ