<新興国eye>前週のブラジル株、経済活動再開による景気回復期待で続伸=BRICs市況

新興国

2020/6/1 14:15

 前週(5月25-29日)のブラジル株式市場は29日のボベスパ指数が前日比0.52%高の8万7402.6、週間ベースでも22日終値比6.36%高となり、続伸した。

 週明け5月25日の指数は急反発して始まった。日本や欧米各国での経済活動再開を受け、海外株高となったほか、5月ジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)消費者信頼感指数が前月値を上回ったことなどが好感された。

 26日は小反落。金融大手のブラデスコやイタウ・ウニバンコなど金融セクターが景気悪化懸念で売られ、指数を押し下げた。

 27日は反発。米国やブラジル国内でもサンパウロ州で新型コロナ規制が緩和され、経済活動が全面再開されたことを好感し、資源セクターや小売大手のマガジネ・ルイーザとビア・バレージョが買われ、指数の上げを主導した。

 28日は反落し、週末29日は反発した。

 28日は、中国の全国人民代表大会(全人代)が香港の民主化デモを制圧するための香港国家安全法案を承認したことを受け、トランプ米大統領が週内にも新たな対中制裁措置を発表する可能性を示唆したこと、さらには、ブラジル国内で新型コロナの感染者数の急増が止まらないことが嫌気された。

 29日は、1-3月期GDP(国内総生産)が前期比1.5%減となったものの、市場予想と一致。GDP下ブレ懸念後退で、ブラジル株は買い戻し優勢となった。

 今週(1-5日)の株式市場は、引き続き国内政治情勢や新型コロナウイルスの感染拡大、欧米やアジアの新型コロナ規制緩和の動向、香港問題を巡る米中対立の激化、世界景気の回復期待、海外市場、特に米株市場、原油などの国際商品相場の動向などが注目される。主な経済指標の発表の予定は1日の5月マークイット製造業PMI(購買担当者景気指数)と5月貿易収支、3日の5月IPC-Fipeインフレ指数(サンパウロ大学経済研究所が発表する消費者物価指数)と4月鉱工業生産、5月マークイット・サービス業PMIなど。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、iSエマジン<1582.T>、上場MSエマ<1681.T>、

 iS新興国<1362.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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