米6月雇用統計、非農業部門雇用者数は前月比480万人増―市場予想大きく上回る
2020/7/3 9:45
<チェックポイント>
●非農業部門雇用者数、経済活動再開で一時帰休者の職場復帰が急増
●平均時給、前月比1.2%減―低賃金労働者の職場復帰を反映
●失業率11.1%―4月から低下傾向で想定以上の改善
米労働省が2日発表した6月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比480万人増と、5月の269万9000人増に続いて、2カ月連続の大幅増となった。市場予想の350万-370万人増に対しても大幅に上回った。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック(感染症の世界的流行)が5月から小康状態となり、全米各地で外出制限などのロックダウン(都市封鎖)規制が緩和され、多くの一時帰休者が職場復帰したことが顕著に表れた。
過去2カ月(4-5月)の非農業部門雇用者数も改定された。4月は前回発表の前月比2068万7000人減から同2078万7000人減に下方改定されたが、5月は同250万9000人増から同269万9000人増に上方改定された。
業種別では、建設業や製造業に加え、パンデミックの影響を最も強く受けたサービス業、なかでもレジャー・接客業(主にレストラン・バーなどの飲食業)や専門・ビジネスサービス業、小売業、教育・ヘルス(健康サービス)業が前月に続いて軒並み大幅増加となった。これらの業種だけで計421万人増となり、民間部門の88%を占めている。
サービス業を中心とした多くの低賃金労働者が職場復帰したため、市場が注目していた賃金(平均時給)の伸びは、前月比1.2%減と、5月の同1%減に続いて2カ月連続の減少となり、市場予想の同1%減より悪化した。前年比も5%増と、5月の6.6%増や4月の8%増を下回った。週平均労働時間は34.5時間と、前月の34.7時間を下回ったが、市場予想と一致した。
一方、失業率は11.1%と、4月の14.7%や5月の13.3%から急低下し、市場予想の12.6%を下回った。また、いわゆる、広義の失業率(仕事を探すことに意欲を失った失業者数と経済的理由でパート労働しか見つからなかった労働者数を加えた実質の失業率)は5月の21.2%から18.0%に低下し、米経済が回復する兆しを示している。
労働市場への参加の程度を示す労働参加率(軍人を除く16歳以上の総人口で労働力人口を割ったもの)も61.5%と、5月の60.8%を上回った。
強い米6月雇用統計を受け、2日は株高・債券安となった。ニューヨーク債券市場では長期国債の指標である10年国債利回りが一時0.026ポイント上昇し、0.708%となった。
<関連銘柄>
NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、
SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、
NYダウベア<2041.T>
提供:モーニングスター社
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