<中原圭介の相場観>歴史の教訓は今回も生かされなかった
米経済再開で感染者再拡大
新型コロナ以後の世界において、私が最も注視している数字は、米国の新規感染者数の推移だ。それは、米国の経済やマーケットが世界のそれらを大きく左右するからだ。
前回(6月15日)のコラムでは、米国が経済活動を再開すれば、感染者が再び増える可能性が高いと申し上げたが、残念ながらその通りの展開となってしまっている。
米国の新規感染者数(7日移動平均)の推移を振り返ってみると、4月9日に3万1630人とピークを打った後、6月9日には2万357人にまで減少していた。しかし、経済活動の緩過ぎる再開に伴って、新規感染者数は6月25日に過去最高を更新、7月1日時点で4万3571人(暫定値)にまで増加している。
新型コロナの感染の波は、まだ第1波が再拡大している途上にすぎない。第1波が収束した後に、第2波や第3波にも備えなければならない現実をかんがみると、今後の経済の低迷とマーケットの波乱を強く意識せざるを得ない。
私は大学で歴史学を専攻したが、感染症の専門家と歴史の研究者の回答は同じだ。それは、感染症には複数の波があるということ、感染を抑えるためには規制を緩め過ぎてはならないことだ。
日本も同じ轍を踏む?
しかし米国は、今回も歴史や科学の知見を生かすことができず、懸念していた第1波の再拡大を招いてしまった。米国は経済活動を再開するのであれば、「外出時は必ずマスクをする」「ソーシャル・ディスタンスを必ず保つ」など、各州政府がルールの周知徹底を行うべきだったと思う。
恐らく、日本もこのままでは、米国と同じ行程をたどることになるだろう。とりわけ小池都知事の今の姿勢は、「都民ファースト」というよりは「選挙ファースト」になってしまっているようだ。
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」――政府や各自治体のトップにはこの言葉を肝に銘じ、しっかりと対応してもらいたい。
(アセットベストパートナーズ 中原圭介)
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