<米国株情報>米映画館大手AMC、経営資金調達で合意見通し―破産回避の思惑で株価急騰

株式

2020/7/9 10:17

 経営難に陥っている米映画館チェーン最大手AMCエンターテインメント<AMC>は経営再建計画を巡り、債権者と近く合意し、日本の会社更生法にあたる米連邦破産法第11条の適用申請が当面回避される、と米経済専門チャンネルCNBC(電子版)などが伝えた。

 同社の株価は7日、前日比3.50%安の4.13ドルと3日続落となったが、破産回避の報道を受け、引け後の時間外取引で急伸。8日も買いが続き、同7.26%高の4.43ドルと反発した。

 報道は米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルが最初に関係者の話として伝えた。同社は小口債権者からの2億ドルの緊急融資に加え、米プライベートエクイティ(PE)ファンドのシルバーレイク・パートナーズからも同額(2億ドル)の融資を獲得する方向で協議しており、合意する見通しだ。このため、米PEファンドのアポロ・グローバル・マネジメント<APO>からの救済提案を拒否するもよう。

 AMCは新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック(感染症の世界的流行)により、3月17日から国内外のすべての映画館を臨時休業したため、3月の最後の2週間の売上がゼロとなり、20年12月期第1四半期は最終損益が21億7630万ドルの赤字と、前年同期の1億3020万ドルの赤字から大幅に悪化。売上高も前年同期比22%減の9億4150万ドルと、急減した。第2四半期もパンデミックの悪影響を最も強く受けるため、第1四半期を上回る大幅減収が予想されている。

 同社は7月30日から全世界で1000カ所の映画館を再開する予定。3月末時点で、全世界で約996館、計1万973スクリーンを持っている。

 米映画館大手では、シネマーク・ホールディングス<CNK>が7月中に一部の映画館の試験再開を予定しているほか、英シネワールド・グループ傘下のリーガル・エンタテインメント・グループも全映画館の再開を目指している。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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