来週の日本株の読み筋=下値の堅い展開か、新型コロナ警戒根強いも日銀ETF購入条件の緩和傾向に注目

国内市況

株式

2020/7/10 17:52

 来週(13-17日)の東京株式市場は、下値の堅い展開か。新型コロナウイルスの感染拡大への警戒感は根強いものの、すでに主要ETF(上場投資信託)の分配金支払いに伴う換金売りの集中日(8、10日)を通過するとともに日銀のETF購入条件の緩和傾向が注目され、需給面でのサポート要因として意識される。日銀のETF買いは、基本的に前場のTOPIX(東証株価指数)下落率が0.5%以上になると実施されてきたが、9日には0.3%安でも実行された。日銀が買いのハードルを下げたとの思惑もあり、下値余地は限定される可能性がある。

 一方、10日の東京都の新型コロナ新規感染者数は243人。前日の224人に続き、過去最多を更新中だ。このまま感染拡大ペースが速まるようだと、改めて政府・自治体に対応策が求められることになるだけに、今後の感染状況を引き続き注視する必要がある。

 スケジュール面では、国内で14日に日銀金融政策決定会合(15日まで)、15日に黒田日銀総裁会見、日銀「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)など。海外では

14日に中国6月貿易収支、15日に米6月鉱工業生産・設備稼働率、16日に中国4-6月期GDP、中国6月工業生産・小売売上高・都市部固定資産投資、17日に米6月住宅着工件数などの発表が予定されている。

 なお、10日の日経平均株価は大幅反落し、2万2290円(前日比238円安)引け。朝方は、9日のナスダック総合指数の連日最高値更新を支えに強含んで始まった後、新型コロナウイルスの感染再拡大への警戒感もあり、いったん下げに転じた。再度プラス圏に持ち直す場面もあったが、買いは続かず、再び軟化。後場入り後は株価指数先物に断続的な売りが出て一段安となり、下げ幅は一時240円を超えた。中国株安や、ETF(上場投資信託)分配金支払いに伴う換金売りへの警戒に加え、午後2時過ぎに「10日、都内で新たに240人以上が新型コロナウイルスに感染していることが確認された」と報じられたことも重しとなった。

提供:モーニングスター社

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