米6月コアCPI、前月比0.2%上昇―4カ月ぶりに上昇

経済

2020/7/15 9:49

<チェックポイント>

●自動車保険やアパレル、航空運賃などが大幅上昇

●前年比は1.2%上昇―前月から横ばい

●全体指数、前月比0.6%上昇―市場予想上回る

 米労働省が14日発表した6月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコアCPI(価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたもの)が前月比0.2%上昇と、5月の同0.1%低下から4カ月ぶりに上昇に転じた。市場予想の同0.1%上昇に対しても上回った。一方、前年比は1.2%上昇と、5月と同じ伸び(横ばい)となり、伸びの鈍化は3-5月の3カ月で止まったが、FRBの物価目標(2%上昇)を3カ月連続で下回っている。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック(感染症の世界的流行)前の1月は2.3%上昇だった。

 コア指数の前月比の内訳は、新型コロナウイルスの感染拡大で旅客輸送が急減していた航空業界の航空運賃が2.6%上昇(5月は4.9%低下)と、3カ月ぶりにプラスとなった。自動車保険は5.1%上昇(同8.9%低下)、アパレルは1.7%上昇(同2.3%低下)、ホテル宿泊料は1.2%上昇(同1.5%低下)、たばこ・喫煙具は1.1%上昇(同0.2%低下)と大幅に上昇した。

 一方、CPIの構成ウエートが高い「シェルター」価格(家賃・宿泊費)は前月比0.1%上昇と、5月の0.2%上昇を下回った。これは、ホテル宿泊料が高い伸びとなったものの、帰属家賃(OER、持ち家でも借家と同様に住宅サービスを受けているとして家賃で評価したもの)が減速したことによる。メディカルケアサービス(処方せん代や病院治療費)は0.5%上昇(同0.6%上昇)だった。中古車(乗用車とトラック)は1.2%低下(同0.4%低下)、新車は横ばい(同0.3%上昇)となった。

 CPI全体指数(季節調整後)は前月比0.6%上昇と、5月の同0.1%低下から4カ月ぶりにプラスに転じた。市場予想の同0.5%上昇に対しても上回った。これは、食品価格が依然高水準なことや、原油価格の回復や新型コロナ危機による外出制限の解除を反映し、ガソリン価格が急騰したことによる。

 ガソリンは前月比で12.3%上昇と、5月の3.5%低下から6カ月ぶりにプラス。エネルギー全体でも5.1%上昇(5月は1.8%低下)と、6カ月ぶりにプラスとなった。

 一方、食品は0.6%上昇と、5月の0.7%上昇や4月の1.5%上昇から伸びが鈍化した。外出制限が緩和されたものの、店内の食事は規制されているため、自宅調理用の食品は0.7%上昇と、高水準となっている。

 全体指数の前年比は0.6%上昇と、5月の同0.1%上昇を上回り、5カ月ぶりに伸びが加速した。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ