<新興国eye>前週のロシアRTS指数、新型コロナ感染再拡大や米中関係悪化で反落=BRICs市況
2020/7/20 11:18
前週(13-17日)のロシア株式市場はRTS指数(ドル建て)の17日終値が前日比0.31%安の1216.17、前週比でも2.37%安となり、反落した。
週明け13日の指数は大きく反落し、14日も下げが加速し、続落した。
13日は、ロシア金属大手ノリリスク・ニッケル傘下の石油・ガス輸送・貯蔵大手ノリリスクトランスガスによる44.5トンの灯油流出事故が12日に報じられたことを受け、ノリリスク・ニッケルが急落したほか、金鉱山最大手ポリウス・ゴールドや石油最大手ルクオイル、国営天然ガス大手ガスプロムも軒並み急落し、指数の下げを主導した。
14日は、オーストラリアや香港、フィリピンなどで新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、規制が再開されたことや、南シナ海の領有権をめぐる米中の緊張激化を受け、海外株安となり、ロシア株も売られた。
15日は反発し、16日も小幅に値を上げ、続伸した。
週後半は、米バイオ医薬品大手モデルナの新型コロナワクチンの治験結果が良好だったことを受け海外株高となったことや、OPEC(石油輸出国機構)プラスが8月から減産規制を緩和することで合意し、ブレント原油先物が1バレル=43.85ドルに上昇したことが好感された。ただ、ガスプロムが減配を発表して急落したため、指数の上げ幅は限定的となった。
週末17日は3日ぶりに反落。原油先物価格が43ドルに後退したことや、米政府が中国共産党の関係者とその家族の入国禁止措置を検討しているとの一部報道を受け、米中関係が悪化するとの懸念で海外市場が下落し、ロシア市場でも売りが優勢となった。
今週(20-24日)のロシア市場は引き続き新型コロナウイルスの感染再拡大や世界経済の動向、ロシア国内の景気対策や原油価格、ルーブル相場、主要企業の四半期決算、ロシア中銀の金融政策決定会合(24日)などが焦点となる。また、原油価格に影響を与える21日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や22日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。
<関連銘柄>
RTS連動<1324.T>、iSエマジン<1582.T>、iS新興国<1362.T>、
WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、原油<1690.T>、
野村原油<1699.T>、iエネルギー<2024.T>
提供:モーニングスター社
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