<新興国eye>ベトナム鉄鋼大手ホアセン鉄鋼、第3四半期は大幅増益

新興国

2020/7/29 12:50

 ベトナム鉄鋼大手のホアセン鉄鋼グループ(HSG)の20年9月期第3四半期(4-6月)業績は、売上高が前年同期比5.5%減の6兆8340億ドン(約316億円)、親会社株主帰属利益が同97.5%増の3180億ドン(約14.7億円)だった。

 大幅増益は、売上総利益率が前年同期の13.4%から15.6%に改善し、一般管理費が前年同期比12.5%減、借入コストが同23.6%減となったため。

 第3四半期累計(19年10月-20年6月)は、売上高が同11.5%減の19兆1890億ドン(約890億円)に留まったが、親会社株主帰属利益が同2.5倍の7010億ドン(約32.5億円)と大幅な増益だった。

 6月末時点の総資産は前年末比1.4%減の16兆9830億ドン(約790億円)で、うち現金および現金同等物が同35%増の3900億ドン(約18億円)、棚卸資産が同9.8%増の4兆9940億ドン(約230億円)。

 HSGはこのほど、全額出資子会社であるホアセン・カーナ・ニントゥアン国際総合港湾会社と、ホアセン・カーナ・ニントゥアン工業団地インフラ投資会社の2社から出資金を全額回収すると発表した。

 同2社は南中部沿岸地方ニントゥアン省で計画していたホアセン・カーナ鉄鋼コンプレックス案件の一部であるカーナ国際総合港湾案件とカーナ工業団地案件の投資主だ。

 19年9月30日時点の出資総額は、ホアセン・カーナ・ニントゥアン国際総合港湾会社向けが60億ドン(約2800万円)、ホアセン・カーナ・ニントゥアン工業団地インフラ投資会社向けが40億ドン(約1850万円)。

 HSGはまた、同コンプレックス案件を展開するために設立された他の子会社4社を解散する。これにより、同社は公開から4年を経て同案件から撤退することになる。

【筆者:Viet Economic Research&Advisory Corp.(VERAC)】

2002年ベトナム・ホーチミン市で創業。「ベトナム株・経済情報」「VIETJOベトナムニュース」、「VIETJOライフ」の自社媒体を通じ、経済、金融情報を中心に毎日数十本のベトナム関連記事を配信する。業界で唯一、全上場企業約760社の日本語企業データベースを保有。また調査可能な非上場企業のユニバースは70万社を誇る。10年超にわたり蓄積した情報とネットワークを駆使した企業信用調査に強み。

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提供:モーニングスター社

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