<新興国eye>トルコ中銀、20年のインフレ見通しを8.9%上昇に下方修正

新興国

2020/7/31 10:11

 トルコ中央銀行は29日に発表した最新の四半期インフレ報告書で、20年末時点のインフレ見通しを前回4月予想時点の7.4%上昇から8.9%上昇に下方修正した。予想レンジは6.9-10.9%上昇となっている。

 これは経済予測の前提となる原油価格と食品物価がいずれも伸びが加速すると見ているためで、20年の原油価格は平均で1バレル=32.6ドルから41.6ドルに約28%上昇すると予想している。

 ただ、21年末時点のインフレ率は6.2%上昇(4月予想時点は5.4%上昇)と伸びが減速するとみている。予想レンジは3.9-8.5%上昇。

 また、これらのインフレ予測は新型コロナの第2波感染が起きず、世界経済が回復し始めることを前提としている。ちなみに、6月のインフレ率は前年比12.6%上昇だった。

 トルコのインフレ率はパンデミックによる経済活動の自粛により、サプライチェーン(部品供給網)が寸断され、その結果、インフレは加速している。このため、中銀は過度な利下げによるインフレ率の加速を警戒している。一方、市場では中銀は6月と7月に政策金利を2会合連続で据え置いたが、今回の四半期インフレ報告書で20年のインフレ率が加速する見通しのため、中銀は利下げの再開を急がないと見ている。

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 iS新興国<1362.T>、上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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