<新興国eye>トルコ7月CPI、前年比11.76%上昇―6月から伸び鈍化

新興国

2020/8/5 11:20

 トルコ統計局が4日発表した7月CPI(消費者物価指数、03年=100)は、前年比11.76%上昇と、6月の同12.62%上昇を下回り、3カ月ぶりに伸びが鈍化した。新型コロナウイルスのパンデミック(感染症の世界的流行)がピークを過ぎ、経済活動が再開し、サプライチェーン(部品供給網)も回復したことで、物価上昇ペースが落ち着いた。

 同国のCPI伸び率は18年10月に前年比25.24%上昇と、25%を突破した。政府のインフレ対策や中銀による大幅な金融引き締め政策により上昇率は鈍化し始め、19年10月には8.55%上昇と、16年12月(8.53%上昇)以来2年10カ月ぶりの低い伸びとなったが、その後、同年11月から20年2月(12.37%上昇)まで4カ月連続でインフレ率が加速。3、4月は2カ月連続で減速したが、パンデミックの悪影響が強まった5月は11.39%上昇と、3カ月ぶりに上昇に転じ、6月まで2カ月連続で上昇ペースが加速していた。

 全体指数から値動きの激しい食品やエネルギーなどを除いたコアCPI(グループC)は前年比10.25%上昇と、6月の11.64%上昇や5月の10.32%上昇を下回り、3カ月ぶりに伸びが鈍化した。

 政府は19年9月30日に発表した20-22年の中期3カ年経済計画で、20年のインフレ率を8.5%上昇、21年は6%上昇、22年は4.9%上昇と予想している。

 また、トルコ中銀は7月29日に発表した最新の四半期インフレ報告書で、20年末時点のインフレ見通しを8.9%上昇(予想レンジは6.9-10.9%上昇)とした。これは経済予測の前提となる原油価格と食品物価の伸びがいずれも加速すると見ているためで、20年の原油価格は平均で1バレル=32.6ドルから41.6ドルに上昇すると予想している。ただ、21年末時点のインフレ率は6.2%上昇(予想レンジは3.9-8.5%上昇)と、伸びが鈍化する見通しだ。

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 iS新興国<1362.T>、上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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