<新興国eye>前週のロシアRTS指数、原油・金価格上昇受け大幅反発=BRICs市況
2020/8/11 10:29
前週(3-7日)のロシア株式市場はRTS指数(ドル建て)の7日終値が前日比0.86%安の1271.43となったが、前週比では3.00%高と大きく反発した。
週明け3日の指数は買い優勢で始まり、5日まで4連騰した。
週前半は、前の週末に発表された米国のマイクロソフトやアルファベット、フェイスブックなど主力IT企業の四半期決算が堅調となったことや、中国と欧州の7月製造業PMI(購買担当者景気指数)が改善したこと、さらには米国の追加景気対策が議会で承認されるとの思惑で海外株高となり、ロシア株も買われた。また、ブレント原油先物が1バレル=44ドルを超え、金の先物価格も1オンス=2000ドルを超えたことも支援材料となった。
週半ばは、米中両国が8月15日に今年初めに合意した貿易協定の順守状況について、政府高官レベルの協議を行うことが決まり、米政府の中国IT企業への取り締まり強化の問題についても議論される可能性が出てきたこと、また、原油先物価格が46ドルを突破したことが好感され、買い優勢となった。
6日は5営業日ぶりに反落し、週末7日も値を下げ、続落した。
6日は、米7月雇用統計の発表を控え、また、高値警戒感から利益確定売りが強まったほか、国営金融大手VTB(対外貿易銀行)が四半期決算で減配を決めたことを受けて急落し、指数の下げを主導した。
7日は、トランプ米大統領が中国動画共有サービス「ティックトック(TikTok)」を運営するインターネット大手バイトダンス(字節跳動)、および中国対話アプリ「微信(ウィーチャット)」を運用する同業大手テンセント・ホールディングス(騰訊)との取引を禁止する大統領令に署名したことから米中関係の悪化懸念が強まり、ロシア株にもリスク回避の売りが広がった。
今週(10-14日)のロシア市場は引き続き、新型コロナ感染再拡大や世界経済の動向、米中関係、ロシア国内の景気対策や原油価格、ルーブル相場、主要企業の四半期決算などが焦点となる。また、原油価格に影響を与える11日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や12日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な国内経済指標の発表の予定は11日の4-6月期GDP(国内総生産)と6月貿易収支、14日の7月鉱工業生産など。RTS指数の予想レンジは1230-1320ポイント。
<関連銘柄>
RTS連動<1324.T>、iSエマジン<1582.T>、iS新興国<1362.T>、
WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、原油<1690.T>、
野村原油<1699.T>、iエネルギー<2024.T>
提供:モーニングスター社
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