<新興国eye>トルコ中銀、20日会合で金利据え置き見通し―エコノミスト予想
2020/8/19 12:01
トルコ中央銀行は20日の金融政策決定会合で、主要政策金利である1週間物レポ金利を現状の8.25%に据え置く見通しだ。これは22人のエコノミストを対象にした調査で明らかになったもの。地元紙ヒュリエトが15日伝えた。
この調査では、18人が据え置きを予想し、4人が利上げを予想している。利上げの予想レンジは0.25-1.75ポイント。また、年末時点の政策金利の見通しについては、平均で8.25%と、現状維持を予想している。予想レンジは6.75-120%と、フレ幅が大きい。
中銀は前回7月23日の会合で、新型コロナウイルスのパンデミック(感染症の世界的流行)によるトルコ経済への悪影響を抑制し、景気回復を強めるにはディスインフレ・プロセス(インフレの鈍化基調)の維持が重要と判断し、主要政策金利である1週間物レポ金利を現状の8.25%に据え置いている。
過去の金融政策を見ると、中銀は19年7月、景気刺激を狙って15年2月以来4年5カ月ぶりに利下げ(4.25ポイント)に踏み切り、20年2月まで下げ幅を縮めながら利下げを継続した。しかし、パンデミックが発生し、トルコ経済への悪影響が強まったことを受け、景気支援のため、5月まで9会合連続の利下げを決めている。この結果、利下げ幅が19年7月以降で計15.75ポイント、年初来では3.75ポイントに達したことから、ディスインフレ・プロセスを維持するにはこれ以上の利下げは不要と判断。6月会合から現状維持に転換している。
ただ、中銀は8月11日、通貨リラの急落が進んだことからリラ安の進行を阻止し、ディスインフレ・プロセスを維持するため、公開市場操作(オペ)を通じたプライマリーディーラー(中銀との直接取引を認められた政府証券公認ディーラー)へのリラ建ての流動性供給の上限をゼロ%に引き下げ、事実上の金融引き締めに転換した。
この背景にはリラ安が輸入物価を押し上げ、インフレを加速する要因となるため、中銀が重視しているディスインフレ・プロセスを維持するためにはリラ安の進行を阻止する必要がある。市場では今回の措置により、中銀のリラ建ての資金調達金利が加重平均で政策金利(8.25%)を上回る9.75%に上昇すると見ている。
<関連銘柄>
iS新興国<1362.T>、上場MSエマ<1681.T>
提供:モーニングスター社
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