「ポスト安倍」思惑で“菅関連”浮上も―きょう5時会見、有力銘柄は?

株式

2020/8/28 8:55

 きょう28日の午後5時ごろから安倍晋三首相が会見を予定している。インフルエンザの流行シーズンにおける新型コロナウイルス対策を表明するほか、国民の関心が高い自身の体調についても説明する考えだという。首相の健康状態は不明だが、会見に先立ち市場で「ポスト安倍」への思惑が活発化する可能性もある。

 ポスト安倍に挙げられているうちの1人が菅義偉官房長官だ。そこで、注目銘柄を探ってみた。

<金融センター、大阪ご当地株の京阪神ビル>

 中国による国家安全維持法の制定で政情不安に揺れる香港。日本にとってはアジアの金融センターの座をつかむ好機だが、菅官房長官が推すのは本命格の東京ではなく大阪と福岡だと報じられている。

 ここで浮上するのが大阪でオフィスビルを手広く賃貸している京阪神ビルディング<8818.T>。「大阪都構想」に絡んでも有力視されてきた経緯があるなど、いわゆるご当地銘柄として知られている。データセンターにも力を入れていることから、フィンテック(金融と経済の融合)に絡んでも商機が広がる。

 大阪関連ではダイビル<8806.T>もマークしたい。また、交通機関や商業施設でJR西日本<9021.T>、京阪ホールディングス<9045.T>、南海電気鉄道<9044.T>にも意識が向かう。また、カジノや万博をテーマに物色された杉村倉庫<9307.T>、桜島埠頭<9353.T>は穴株的な位置付けとなる。

 一方、福岡は中心街の再開発「天神ビッグバン」が新型コロナの影響で延期された。それでも大型複合ビルの建設が予定されるなど、対抗としての存在感を残している。関連銘柄は九州地盤の鉄鋼商社の小野建<7414.T>や銀行の西日本フィナンシャルホールディングス<7189.T>などだ。

<ふるさと納税でチェンジ、マイナンバーはITbHDなど>

 菅官房長官の出身は秋田。秋田銀行<8343.T>やフィデアホールディングス<8713.T>といった地銀のほか、東北地盤の電気工事のユアテック<1934.T>、建築材料メーカーのスパンクリートコーポレーション<5277.T>、建設会社の第一建設工業<1799.T>といったところに連想が向かうことも考えられる。

 政策をめぐっては、ふるさと納税やGoToキャンペーンを主導したほか、行政の電子化やマイナンバー(社会保障・税番号)カードの普及を推進する「デジタル・ガバメント閣僚会議」の議長も担う。

 このため、ふるさと納税事業を手掛けるチェンジ<3962.T>、アイモバイル<6535.T>は押さえておきたい。マイナンバー関連のITbookホールディングス<1447.T>、フライトホールディングス<3753.T>、パイプドHD<3919.T>、エンカレッジ・テクノロジ<3682.T>、日本通信<9424.T>なども注目される。

提供:モーニングスター社

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