<新興国eye>トルコ製造業8月輸出環境指数は52.4―2カ月連続で「50」上回る

新興国

2020/9/10 10:19

 トルコ商工会議所(ISO)と欧州最大の金融情報サービス会社IHSマークイットが8日発表したトルコ製造業の8月輸出環境指数が7月の53.0から52.4とやや低下した。ただ、「改善」と「悪化」の判断の分かれ目である「50」を2カ月連続で上回った。地元オンラインニュースのOdaTV4などが伝えた。

 同指数は製造業の輸出需要を測る先行指標となっており、新型コロナウイルスのパンデミック(感染症の世界的流行)の影響が最も強かった4月は19.1に急低下した。しかし、その後、パンデミックが一服した5月は34.1、6月も47.5に回復。7月は53.0と改善が一段と進み、5カ月ぶりに50を超えた。

 ISOは8月の統計結果について、「トルコの主要輸出相手国の需要が2カ月連続で改善している」とした上で、トルコの輸出全体の5%を占める米7-9月期の生産活動が17カ月ぶりの高水準となったほか、米国に次いで輸出ウエートが大きい英国も生産活動が急拡大したことが寄与したという。ただ、ユーロ圏各国は感染再拡大で景気回復のペースが鈍化し、なかでもスペインとイタリアは経済活動の回復の勢いが失われたとしている。

 2日に発表されたトルコ8月貿易収支は、輸出が前年比5.7%減の125億ドルとなった。一方、輸入は同20.6%増の188億ドルとなり、この結果、輸出の輸入に対する割合は66.4%と、1年前の85%や20年5月の77.2%、6月の82.6%を大きく下回り、輸出が鈍化傾向を示している。

 トルコのルフサル・ペキジャン関税・貿易相は、「輸出はEU(欧州連合)の需要低下や新型コロナの影響で7月のトルコの自動車生産台数が減少(前年比11.8%減)したことを反映した」としたが、「今後はEU市場の正常化や国内景気対策により、輸出は拡大の勢いを増す」と楽観的に見ている。

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 iS新興国<1362.T>、上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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