<新興国eye>第20回日本カンボジア官民合同会議を開催
2020/9/18 12:07
日本とカンボジアは、日本・カンボジア投資協定に基づき、概ね1年に1-2回の定期協議会を実施しています。9月3日に第20回官民合同会議が開催されました。今回は、新型コロナ対策でソーシャルディスタンスを取るために、ソフィテルホテルの大会議場で開催されました。会議には、カンボジア側は、ソク・チェンダ・ソピア首相補佐特命大臣兼カンボジア開発評議会事務総長をヘッドに関係省庁の関係者が参加しました。日本側は、三上正裕日本大使をヘッドに、日本人商工会、JETRO(日本貿易振興機構)、JICA(国際協力機構)などの関係者多数が参加しました。
会議では、カンボジアの投資環境を改善するために、日本企業が直面する問題について、政策・法律といった大きな課題から、事務手続きの改善といった個別の課題まで、幅広く取り上げられました。
今回の会議では、優先重点案件として、物流関連(ストゥンボット国境早期開設、国境通関の迅速化・24時間稼働)、税制関連(セミナーの開催、売上に対する値引き分の控除、縫製業以外への加工賃貿易の適用)、電力関連(新電力料金体系の導入に対する懸念)、商業関連(並行輸入に関する諸問題)――の4分野を中心に議論されました。
多数の問題があり、すぐには解決できないものもありますが、個別の課題について一つ一つ地道に取り組んで解決していくことが重要と見られます。また、日本側も、問題を指摘するだけでなく、解決案を提示したり、問題に詳しい専門家を派遣するなど、カンボジア側と協力して対応する姿勢です。
この会議を通じてこれまでも、カムコントロール(関税以外の国境検査)の廃止、電力料金の引下げ方針など、いくつもの問題が解決されてきています。こうした地道な取り組みが、カンボジアの投資環境の改善とカンボジアでの日系企業の発展、さらには、カンボジア経済の成長と日本・カンボジアの二国間の友好関係の深化につながることが大いに期待されます。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin-Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
◎当該記事は外部執筆者により作成されたものです。記事は執筆者が信頼できると判断したデータなどにより作成いたしましたが、その正確性などについて保証するものではありません。
提供:モーニングスター社
関連記事
-
パワファスが急落、信用取引での増し担保措置で資金負担増を嫌気
2020/9/18 12:02
日本パワーファスニング(パワファス)が急落し、一時10円安の159円を付ける場面があった。東京証券取引所は17日引け後、18日の売買分から信用取引を使った同社株の売買について、増し担・・・…続き
-
桜島埠が急伸、受取保険金を特別利益に計上へ
2020/9/18 12:01
桜島埠頭が急伸。17日引け後に、21年3月期第2四半期(20年7-9月)に受取保険金を特別利益に計上すると発表したことが材料視された様子。株価は前日比87円高の1856円まで値を上げ・・・…続き
速報ニュース
-
225オプション・コール(期近・3月28日・権利行使価格4万1000円)
10時間前
-
225オプション・プット(期近・3月28日・権利行使価格4万円)
10時間前
-
10時間前
-
10時間前
-
今晩のNY株の読み筋=「聖金曜日」とPCE価格指数を前に様子見か
11時間前
-
11時間前
-
28日のPTS注目ポイント=京葉銀、ジュンテンド、マイクロアド
11時間前
-
11時間前
-
住信SBI銀の円山社長、「銀行を超えたテック企業」を目指す(2)
11時間前
-
住信SBI銀の円山社長、「銀行を超えたテック企業」を目指す(1)
11時間前