<話題>1ドル=104台の円高でも年初来高値銘柄が増加

株式

2020/9/18 17:30

 今週(14-18日)目に付いたのは、17日のマーケット。現地16日の米国で発表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)声明文で、FFレート誘導目標の据え置きが決定。2023年までゼロ金利が継続されるとの見方が示された。これを受け、円相場は1ドル=104円台に上昇。日経平均株価は前日比156円安の2万3319円で終えた。以前からもお伝えしているように、米国株が上昇してもゼロ金利が継続するなら円安の要因にならず、日本株は全体としてその恩恵に与れない。しかし、一方で年初来高値を更新する銘柄は着実に増加している。

 その中で注目したい銘柄の一つが、製菓・製パン用材料の商社である正栄食品工業<8079.T>。9月11日の決算発表で20年10月期第3四半期累計(19年11月-20年7月)連結営業利益の好進ちょくが確認され、通期の営業利益予想には上ブレが期待できる。

 同社の20年10月期第3四半期累計は、売上高776億1500万円(前年同期比3.9%減)、営業利益37億2500万円(同18.9%増)。新型コロナウイルス感染症の売上への影響について、巣ごもり需要を反映して菓子・リテール商品は伸張したが、外出抑制やテレワークの推進により、土産・贈答用菓子やオフィス街を中心に販売されている食品向けの原材料などが減少し、全体としてはマイナス。一方、利益面は菓子・リテール商品を中心とした自社工場の稼働率上昇で採算が改善し、円高で輸入食材の採算も向上。営業利益の通期予想44億円(前期比7.6%増)に対する進ちょく率は84.7%に達している。

 こうしたことを踏まえつつ会社側は通期の業績予想を修正したが、内容は売上高を1080億円から1015億円(前期比4.0%減)に減額したのみ。第4四半期(8-10)の営業利益予想は計算上6億7500万円(前年同期比29.4%減)にとどまったままであり、かなり保守的な印象だ。

提供:モーニングスター社

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