<新興国eye>前週のブラジル株、過去最高の失業者数を嫌気し3週続落=BRICs市況

新興国

2020/9/23 9:29

 前週(14-18日)のブラジル株式市場は18日のボベスパ指数が前日比1.81%安の9万8289.7、週間ベースでも11日終値比0.07%安となり、3週続落した。

 週明け14日の指数は反発して始まり、15日も値を上げ、続伸。

 週前半は、英製薬大手アストラゼネカが一時中断していた新型コロナウイルス用ワクチンの臨床試験を再開すると発表したことや、中国8月小売売上高と8月鉱工業生産、米8月鉱工業生産が堅調となったことが買い材料となった。

 16日は3日ぶりに反落したが、17日は再び反発。

 16日は、ゲデス経済相が検討している、貧困層への財政援助制度「ボルサファミリア」の拡大版である新社会福祉制度「レンダ・ブラジル」の創設について、ボルソナロ大統領が強い不満を示し、大統領と財務相の関係悪化懸念が強まり、売り優勢となった。17日は、ブラジル中央銀行が市場予想通り、政策金利2.00%を据え置き、低金利が維持されることが好感され、買い安心感が広がった。

 週末18日は急反落した。

 ブラジル国内の失業者数が新型コロナのパンデミック(感染症の世界的流行)の影響で過去最高の1370万人に達し、失業率も8月末時点で14.3%と、これまで過去最高だった5月の10.5%を大幅に上回ったことが嫌気された。

 今週(23-25日)の株式市場は、引き続き国内政治情勢や新型コロナ感染再拡大、欧米やアジアの経済活動再開の動向、香港問題やティックトックなど中国IT企業を巡る米中緊張、海外市場、特に米株市場、原油などの国際商品相場の動向、企業決算などが注目される。主な経済指標の発表の予定はない。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、iSエマジン<1582.T>、上場MSエマ<1681.T>、

 iS新興国<1362.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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