来週の東京外国為替市場見通し=追加経済対策の協議難航が重し、雇用統計の結果次第で下値模索の可能性も
予想レンジ:1ドル=103円00銭-106円85銭
21-24日のドル・円は上昇した。週明け21日は、東京時間から欧州時間にかけて欧米での新型コロナ感染再拡大を懸念したリスクオフの円買いが優勢となったが、104円ちょうどに急接近した反動でドルの買い戻しが入ったほか、米国時間になるとドル資金を確保する動きが対円でも強まった。22日、エバンス米シカゴ連銀総裁による利上げ時期に関する発言がドル買いを誘発。23日は、連休明けの国内輸入企業による円売りが活発化したうえ、ユーロ圏の弱い経済指標を受けて対ユーロでのドル買いが対円にも波及した。24日は、米国の新規失業保険申請件数が増加した一方で米8月新築住宅販売件数が高水準となるなど強弱入り混じる材料に売り買いが交錯した。
週間の米新規失業保険申請件数はピークアウトしたものの高止まりし、米雇用情勢の先行き不透明感が増している。パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は22日の議会証言で回復の勢いが鈍い雇用と経済活動について懸念を表明したうえで追加支援の必要性を強調しているが、トランプ米政権による追加経済対策は与野党の対立で実現にめどが立っていない。30日の米9月ADP雇用統計や10月2日の米9月雇用統計が弱い結果となれば催促相場的な動きも予想され、リスク回避の動きがドル・円重しになりそうだ。
新型コロナの感染再拡大を背景にしたドル需要の高まりなどはドル・円の支えになる。ただ、収束の兆しがみられないうちはFRBによる大規模金融緩和の長期化も意識される。また、場合によっては各国中銀によるドル資金供給策の再導入や再拡充もあり得る。感染再拡大も現時点では欧米の一部地域にとどまっており、3-4月のような世界的な感染再拡大が意識されない限り、ドル資金確保の動きが上値を試すほどのドル買いに発展することはないだろう。
ドル・円の上値めどは26週移動平均線近辺の106円85銭、下値めどは心理的フシ目の103円ちょうど。チャート的には104円を割り込むと心理的フシ目以外に3月安値の101円25銭まで明確なめどといえるものがない。
提供:モーニングスター社
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