<新興国eye>前週のブラジル株、世界的な新型コロナ感染再拡大などを受け4週続落=BRICs市況

新興国

2020/9/28 10:57

 前週(21-25日)のブラジル株式市場は25日のボベスパ指数が前日比0.01%安の9万6999.4、週間ベースでも18日終値比1.31%安となり、4週続落した。

 週明け21日の指数は大きく下げ、続落して始まった。英国など多くの国で新型コロナの感染者数が急増し、欧州で再びロックダウン(都市封鎖)が開始されるとの懸念で海外市場が下落し、ブラジル市場でも売りが広がった。

 22日は反発。欧米市場が持ち直したことを受け、ブラジル市場でも買い戻しが活発化した。

 23日は急反落。米国の週間新規失業保険給付申請件数(9月19日終了週)が87万人と、市場予想の84万人を超え、米国の景気回復への懸念が強まる中、追加景気対策の内容や規模をめぐり、政府と野党・民主党との意見が対立し先行き不透明感が強まったことが嫌気され、売り優勢となった。

 24日は反発。ムニューシン米財務長官が追加景気刺激策の議会通過を目指し、民主党のペロシ下院議長と協議を継続すると発言したことや、ブラジル中銀が20年の成長率見通しを従来予想のマイナス6.4%からマイナス5.0%と改善方向に上方修正したことが支援材料となった。

 週末25日は小反落した。ブラジル議会が17業種に対する給与税減税を21年末までの1年延長を決めたあと、ボルソナロ大統領が拒否権を行使したため、この拒否権を覆せるかどうかに焦点が移る中、小安く引けた。

 今週(9月28日-10月2日)の株式市場は、引き続き国内政治情勢や新型コロナ感染再拡大、香港問題やティックトック(TikTok)など中国IT企業を巡る米中緊張、欧米やアジアの市場動向、原油などの国際商品相場の動向、企業決算などが注目される。主な経済指標の発表予定は29日のジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)8月IGP―DIインフレ指数(全国卸売物価指数)とFGV9月IGP-MIインフレ指数、30日の8月財政収支、1日の9月貿易収支と9月製造業PMI(購買担当者景気指数)、9月IPC-Fipeインフレ指数(サンパウロ大学経済研究所が発表する消費者物価指数)、2日の8月鉱工業生産など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、iSエマジン<1582.T>、上場MSエマ<1681.T>、

 iS新興国<1362.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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