<新興国eye>インドネシア中銀、政策金利を据え置き―3会合連続

新興国

2020/10/14 11:31

 インドネシア中央銀行(BI)は13日の理事会で、主要政策金利の1週間物リバースレポ金利を4.00%に据え置くことを決めた。市場予想通りだった。

 過剰流動性を吸収するための翌日物預金ファシリティー金利(FASBIレート)も3.25%、翌日物貸出ファシリティー金利も4.75%と据え置いた。

 中銀は19年7月から8カ月ぶりに利下げに転じ、同10月まで4会合連続で利下げを実施したが、その後は20年1月まで3会合連続で政策金利を据え置いた。しかし、パンデミックを受け、景気を支援するため、2月から利下げを再開。3月まで2会合連続で利下げを決め、さらに、6月と7月にも2会合連続の利下げを決定。20年に入って計4回の利下げにより、利下げ幅は計1.00ポイントに達し、18年4月以来約2年ぶりの低水準となっている。政策金利の据え置きは8月と前回9月会合に続いて、これで3会合連続。

 中銀は会合後に発表した声明文で、政策金利を据え置いたことについて、前回会合時と同様、「われわれは金融市場への潤沢な流動性供給により、景気を刺激することに金融政策の重点を置いている」と追加利下げよりも量的金融緩和にシフトしていることを改めて強調した。

 また、中銀は7月7日、総額903兆4600億ルピアの新型コロナ危機対策費を政府と共同で負担するため、397兆5600億ルピア(280億ドル)の新発国債の直接引き受けを含め、全体の6割超にあたる574兆4000億ルピアを負担することで合意したが、中銀は声明文で、前回会合時と同様に、「景気回復を一段と促進するため、政府との政策協調によるシナジー(相乗)効果を強めていく」とした上で、「SBN(短期国債)の買い入れを通じ、政府の20年度予算の資金調達に協力する責務を引き続き負っている」と政府の財政健全化を支援する考えを改めて強調した。中銀は10月8日現在で、計約289兆8600億ルピア相当のSBNを買い取ったとしている。

 ルピア相場については、「良好な国内経済見通しを受け、外国から投資資金が流入したことにより、10月12日時点で9月末時点に比べ1.22%上昇した。しかし、19年末時点からはまだ5.56%下落している。現在のルピア相場は経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)に比べ、実際よりも過小評価されているため、今後、インフレ率が低いことや国内資産の利回りが魅力的なこと、さらに経常赤字が縮小していることから上昇する可能性がある」とした上で、前回会合時と同様、「市場メカニズムと経済のファンダメンタルズに従って、金融市場と外為市場に適切な流動性が供給されるよう公開市場操作(オペ)を最適化することにより、ルピア相場を安定させる政策を強めていく」との姿勢を強調した。

 インフレの見通しについては、「9月のCPI(消費者物価指数)は前年比1.42%上昇と、8月の1.32%上昇から伸びが加速したものの、パンデミックによる内需不振を受け、依然として低い水準にある」とした上で、前回会合時と同様、「今年は物価目標(3%上昇±1%)のレンジの下限を下回るが、21年は物価目標の水準に戻る」との見方を示した。

 次回の金融政策決定会合は11月18-19日に開かれる予定。

<関連銘柄>

 アジア債券<1349.T>、iS新興国<1362.T>、上場EM債<1566.T>、

 iSエマジン<1582.T>、アセアン50<2043.T>

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