<話題>日銀のETF買い入れの予算枠消化は困難に

株式

2020/10/16 17:47

 今週(12-16日)目に付いたのは、14日のマーケット。米ジョンソン・エンド・ジョンソンの新型コロナウイルスワクチンの臨床試験の一時中断に続き、イーライ・リリーも新型コロナ抗体薬の治験を中断したと伝わり、NYダウが5日ぶりに反落した流れを受け継ぐなか、日経平均株価は82円安の2万3518円まで下落。しかし、その下げ渋り方に、日銀によるETF(上場投資信託)買い入れ観測が浮上。その後、日経平均は54円高の2万3656円まで値を上げ、24円高の2万3626円で終えた。

 そして引け後の発表では、やはりETF買い入れが実施されていた。ただ、その金額は、今年3月16日の金融政策決定会合で年間の買い入れ枠が12兆円へと倍増されて以降最低の701億円。しかも、9月29日に801億円を買い入れて以降、半月ぶりだ。

 確かに、新型コロナウイルス感染症の影響で先の見通せない経済状況が続くなか、買い入れのタイミングを計るのも大変だろう。ただ、買い付け金額の推移を見ると、3月の1兆5200億円強、4月の1兆2000億円強以降、5月は4200億円強、6月と7月は6000億円強、8月は1800億円強、9月は5600億円強にとどまっており、元々2月末の段階で枠に約1兆円の未消化分があったことを除いて考えても、枠の消化は9月末までで約5兆円。残り7兆円を来年2月までの5カ月間で消化しなけらばならない。というより、暴落した3月の買い入れ額が1兆5200億円強だったことを考えると、もはや消化は不可能。ともかく、下値に強い相場は続きそうだ。

提供:モーニングスター社

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