<特集>コロナ禍+インフル警戒(2)=サカタインク―抗ウイルスコート剤の拡大に期待

株式

2020/10/23 18:03

 サカタインク<4633.T>を狙ってみたい。新型コロナのマイナス影響を受けた分野において業績は最悪を通過した様子であり、折しも8月26日に情報開示した機能性抗ウイルスコート剤には引き合いが活発化しているもよう。PBR(株価純資産倍率)0.9倍割れ、PER15倍台と指標面も割安であり、注目が怠れない。

 同社は国内第3位の印刷インキメーカーだが、缶用の「メタルインキ」は世界トップシェアを誇り、缶飲料、医薬品などの段ボール用「フレキソインキ」、食品フィルム用の「グラビアインキ」は国内でトップクラスのシェアを持つ。

 20年12月期上期(20年1-6月)は、売上高794億7200万円(前年同期比4.4%減)、営業利益31億8100万円(同4.3%増)。新型コロナウイルス感染症拡大による巣ごもり消費、感染防止対策で食品・飲料のパッケージ、衛生対応用品・医療関連パッケージの需要が増加する中、「印刷インキ(米州)」が営業利益を14億8100万円(同期比58.9%増)に伸ばして全体をけん引。しかし、一方でイベントの中止、広告需要の低下でチラシやカタログなどの印刷物、新聞広告減少などの影響を強く受けた「印刷インキ(アジア)」の営業利益は8億6100万円(同24.3%減)に急減。こうした推移を踏まえ会社側は、通期の連結営業利益予想を従来の75億円から70億円(前期比12.4%増)に減額した。

 ただ、新型コロナのマイナス影響を受けた分野でも最悪は通過した様子であり、今般、一般社団法人抗菌製品技術協議会(SIAA)の認証を受けた抗ウイルスコート剤は、新型コロナ対策として紙器、段ボール、紙袋、カートン、カタログ、雑誌、教科書向けなどに問い合わせが活発化しているもよう。もちろんインフルエンザウイルス対策にもなり、中期的な利益成長への貢献が期待できそうだ。

提供:モーニングスター社

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