<米大統領選>日本株どうなる?―りそなAM・黒瀬氏

株式

2020/10/30 12:01

りそなアセットマネジメント 黒瀬浩一チーフストラテジスト

<結果判明遅れこう着か>

 郵便投票を利用した有権者の多さを踏まえると、米大統領選の勝敗は11月3日(日本時間4日)には確定しない公算が大きい。そのため、マーケットもすぐには動けずこう着するだろうと考えられる。ただ、いずれにしても影響は短期的にとどまりそうだ。

 バイデン前副大統領が大統領選に勝利し、連邦議会で上下院とも民主党の多数が決まれば、財政出動の期待でひとまず株高が予想される。一方、バイデン氏が勝っても民主が上院の主導権を取り戻せずに「ねじれ」の状態が続けば、ネガティブな反応も見込まれる。

<中期の影響は限定的に>

 とはいえ、どちらのパターンにも持続性はなく、すぐに反動で元の水準に戻るとみられる。なぜなら、欧米で新型コロナウイルスの感染拡大が再び深刻化しており、当面経済成長が期待できないためだ。半面、FRB(米連邦準備制度理事会)による追加緩和の余力も意識され、下方向への値幅も限られる。日経平均株価は2万4000円を上限に、8月の安値に相当する2万2200円を割らないレンジ相場が続くだろう。

 なお、トランプ大統領が最終盤で逆転する可能性は十分に残る。その場合に想定される民主多数の議会とのねじれは一見最悪だが、よく言うと「柔軟」なトランプ氏はうまく折り合いをつけるだろう。市場にとってはバイデン氏勝利よりもポジティブだ。

提供:モーニングスター社

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