<新興国eye>トルコ中銀、20年インフレ見通しを12.1%上昇に修正―四半期インフレ報告書

新興国

2020/10/30 12:38

 トルコ中央銀行は28日に発表した最新の四半期インフレ報告書で、20年末時点のインフレ見通し(中心値)を前回7月予想時点の8.9%上昇から12.1%上昇に3.2ポイント悪化方向に修正した。予想レンジは11.1-13.1%上昇(7月予想時点は6.9-10.9%上昇)となっている。

 ただ、21年末時点のインフレ率は9.4%上昇(7月予想時点は6.2%上昇)と20年末から伸びが減速するとみている。予想レンジは7.1-11.7%上昇(同3.9-8.5%上昇)。また、中期的には約5%上昇で安定すると予想している。

 これは経済予測の前提となる輸入物価と食品物価の20年と21年の見通しをいずれも7月予想時点から加速する方向に修正したためで、輸入物価は20年が5.9%低下(7月予想時点は6.2%低下)、21年は5%上昇(同3.3%上昇)、また、食品物価も20年が13.5%上昇(同10.5%上昇)、21年は10.5%上昇(同8%上昇)になると想定している。輸入物価は中銀が通貨トルコリラの大幅下落を阻止できず、リラ安が進行したため、輸入物価が押し上げられている。リラはドルに対し、年初来で27%超下落している。

 さらに、GDP(国内総生産)も4-6月期は前年比4.7%減(7月予想時点は6.4%減)、7-9月期は同1.8%減(同4.6%減)にそれぞれ改定された。原油先物価格については20年の1バレル=平均41.6ドル(7月予想時も41.6ドル)から21年には43.8ドル(同43.8ドル)に約5%上昇すると想定している。

 トルコでは、新型コロナのパンデミック(感染症の世界的流行)による経済活動の自粛により、サプライチェーン(部品供給網)が寸断され、その結果、インフレ率が加速している。このため、中銀は過度な利下げによるインフレ率の加速を警戒している。中銀は6月から8月まで3会合連続で政策金利を据え置いたが、パンデミックによる経済への悪影響が薄れ、景気回復ペースが速まったため、インフレが加速し始めたとして、9月会合で18年9月以来2年ぶりに利上げを決めた。しかし、10月22日の金融政策決定会合では、「期待インフレ率やインフレ加速リスクを抑制するための金融政策や流動性対策が講じられ、すでに強い金融引き締めの金融状況が整った」とし、現状維持を決めている。

 トルコのインフレ率は9月が前年比11.75%上昇と、8月の11.77%上昇から伸びが鈍化した。しかし、市場では今回の10月四半期インフレ報告書で20年のインフレ率が加速する見通しが示されたことを受け、中銀はインフレ率が十分に改善するまで現状の金融引き締めスタンスを維持すると見ている。

<関連銘柄>

 iS新興国<1362.T>、上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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