来週の東京外国為替市場見通し=米政治混乱なら下値模索のリスク
予想レンジ:1ドル=101円20銭-106円40銭
10月26-29日のドル・円は下落した。週明け26日は、欧米での新型コロナウイルス感染再拡大を受けたリスク回避を目的にドルと円がともに買われたが、ややドル買いが優勢となってドル・円は上昇した。ただ、米大統領選や追加経済対策の行方が不透明な中で上値は限られ、27日は米長期金利の低下を受けたドル売り・円買いにより、ドル・円は下値を模索。28日、感染拡大を食い止める目的でドイツやフランスが行動制限措置を実施したことでリスク回避の円買いが加速した。29日、欧州景気の悪化懸念などを背景に円が買われ、ドル・円は一時104円ちょうど近辺まで下落したが、その後は米7-9月期GDP(国内総生産)などを受けてドル買いが強まり、急速に戻りを試した。
いよいよ11月3日は米大統領選の投票日。ドル・円は9月から大統領選を理由にした手控えによりレンジ相場が続いているが、どちらが勝利しても今後の米政治の方向性も明確になるため、こう着状態から動きが出る可能性がある。ただ、大統領選が接戦となると勝敗が確定するまで時間を要し、負けた側が結果の受け入れを拒み、敗北宣言をしない恐れも指摘されている。米政治の混乱や空白期間が長引けばそれだけリスクオフの動きも継続するほか、足元で最大の売り材料のひとつとして意識されている新型コロナの感染再拡大に歯止めがかからなければ、パニック的な動きにより年初来安値を試す動きも想定される。
11月2-6日の週は大統領選だけではなく、4-5日のFOMC(米連邦公開市場委員会)や4日の米地裁による動画配信アプリ「TikTok」利用禁止措置の審理、6日の米10月雇用統計などと、重要なイベントや経済指標の発表も多い。こうした材料が好結果となっても、大統領選の集計に時間を要すればポジティブな反応は限られるだろう。
ドル・円の上値メドは26週移動平均線(10月30日時点)の106円35銭近辺、下値メドは年初来安値の101円25銭近辺。
提供:モーニングスター社
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