英中銀、政策金利0.10%据え置き―量的緩和規模を1500億ポンド増額
2020/11/6 9:28
<チェックポイント>
●20年GDP見通しを11.0%減に下方修正―前回予測は9.5%減
●21年1-3月期から経済活動再開でGDPプラス成長に回復と予想
●ロックダウン再開で11月GDPは2番底に―市場予想
イングランド銀行(BOE、英中銀)は5日、金融政策委員会(MPC)の結果を発表し、政策金利を過去最低水準の0.10%に据え置くことを全員一致で決めた。市場予想通りだった。
また、BOEは今回の会合で、新型コロナの第2次感染拡大を阻止するため11月5日から2度目の全国ロックダウンに入ったことを受け、6月会合で決めた非伝統的な金融緩和措置である量的金融緩和(QE)規模を1500億ポンド増額し、総額8950億ポンドに拡大することを決めた。市場では1000億ポンドの増額を予想していた。
BOEは会合後に発表したMPC議事抄録で、「英国経済の見通しは新型コロナの感染拡大やEU(欧州連合)との自由通貿易協議の見通し、さらには金融市場や家計、企業がこれらにどう対応するかによって左右され、依然、先行きは極めて不透明となっている」とした上で、「(こうしたことから)一段の金融政策の緩和が正当化されると判断し、QE規模を拡大することで意見が一致した」と指摘している。
また、BOEが発表した最新の四半期インフレ報告書である「金融政策リポート」によると、GDP見通しは、MPCの予測値(中央値)で、20年は前年比11.0%減と、前回8月予測の同9.5%減から急激に悪化すると予想した。21年1-3月期から経済活動の再開によりプラス成長に回復し、21年全体では7.25%増(前回予測は9.00%増)に回復するものの、前回予想よりも回復ペースが鈍化する。22年は6.25%増(同3.50%増)、23年は1.75%増と予想している。
20年10-12月期時点のGDP見通しも前年比11.0%減と、前回8月予測の5.4%減から悪化すると予想したが、21年10-12月期時点では同11%増(前回予想は6.2%増)、22年10-12月期時点で同3.1%増(同2.3%増)と、いずれも上方修正した。23年10-12月期時点では同1.6%増との見通し。
市場では2度目のロックダウンにより、英国の11月のGDP(国内総生産)は前月比12%減と、2番底になると警戒している。
インフレ見通しについては、20年はエネルギー価格の低下やVAT(付加価値税)税率の引き下げにより、0.50%上昇(前回予測は0.25%上昇)、21年は2.00%上昇(1.75%上昇)、22年は2.00%上昇(同2.00%上昇)、23年は2.00%上昇と、21年から物価目標(2.00%上昇)近辺に回復すると見ている。20年10-12月期時点でのインフレ率は前年比0.6%上昇(同0.3%上昇)、21年10-12月期時点で同2.1%上昇(同1.8%上昇)、22年10-12月期時点で同2%上昇(同2.1%上昇)、23年10-12月期時点で同2.1%上昇と予想している。ちなみに9月のインフレ率は前年比0.5%上昇だった。
失業率見通しについては、20年は6.25%(同7.50%)、21年は6.75%(同6.00%)、22年は5.00%(同4.50%)、23年は4.25%と予想。また、20年10-12月期時点での失業率は6.3%(同7.5%)、21年10-12月期時点で6.7%(5.9%)、22年10-12月期時点で4.9%(4.5%)、23年10-12月期時点で4.3%と予想している。
今後の金融政策の見通しについて、MPCは前回会合時と同様、「2%上昇の物価目標が持続的に達成されるか、または、経済全体の余剰生産能力が著しく失われない限り、金融引き締めは行わない」とした。市場ではBOEが21年初めに政策金利をゼロにまで引き下げると予想している。
BOEの次回会合は12月17日に開かれる予定。
提供:モーニングスター社
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