米9月S&PコアロジックCS住宅価格指数、前年比7.0%上昇―6年4カ月ぶり高い伸び

経済

2020/11/25 9:20

<チェックポイント>

●20都市圏、前年比6.6%上昇に加速―市場予想上回る

●フェニックスとシアトル、サンディエゴが急上昇

●10都市圏、前年比6.2%上昇―8月から伸び加速

 米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が24日発表した米9月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(季節調整前)は、一戸建て中古住宅の価格動向を示す総合指数である全米住宅価格指数が前月比1.2%上昇の226.8と、8月の同1.2%上昇(改定前は1.1%上昇)と同じ伸びとなったが、季節要因を無視できる前年比は7.0%上昇と、14年5月以来6年4カ月ぶりの高い伸びとなり、8月の同5.8%上昇からさらに伸びが加速した。

 S&P500指数を運営会社でもある米S&Pダウジョーンズ・インデックスのマネージング・ディレクター兼指数管理担当責任者であるクレイグ・ラザラ氏は、「9月の強い結果はパンデミックによって抑制された住宅購入需要が元に戻ったことを示し、今後もパンデミックによる都心のアパートから郊外の一戸建てへの住宅購入需要に支えられ、価格上昇ペースが加速する可能性がある」とみている。

 市場の関心が高い主要20都市圏の価格指数(季節調整前)は前月比1.2%上昇の232.53と、8月の1.2%上昇と同じ伸びとなった。一方、前年比は6.6%上昇と、8月の5.3%上昇を上回り、18年4月以来2年5カ月ぶりの高い伸びに。市場予想の5.4-5.5%上昇に対しても大幅に上回った。

 都市別では、集計が可能となった19都市のうち、西部と南東部が顕著な伸びとなった。フェニックスは前年比11.4%上昇と、最も高い伸びを示し、16カ月連続でトップとなった。次いで、シアトルが同10.1%上昇、サンディエゴが同9.5%上昇、ボストンとクリーブランド、ロサンゼルスの3都市がいずれも同7.7%上昇、シャーロットとポートランドが同7.6%上昇、タンパが同7.5%上昇となった。

 反対に低い伸びとなったのは北東部の大都市圏で、ニューヨークは同4.3%上昇だった。このほか、シカゴは同4.7%上昇、ダラスは同4.9%上昇。今回の統計でも20都市中、デトロイトだけがパンデミックの影響で調査できなかった。

 都市ごとの値上がり率をみると、住宅購入者がニューヨークなどの大都市から地方にシフトする傾向を示している。

 主要10都市圏の価格指数(季節調整前)は前月比1.3%上昇の245.02と、8月の同1.2%上昇を上回り、3カ月連続で伸びが加速。前年比も6.2%上昇と、8月の4.9%上昇を上回った。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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