米10月新築住宅販売、前月比0.3%減の99.9万戸―市場予想上回る

経済

2020/11/26 11:12

<チェックポイント>

●6カ月ぶり減少も依然高水準

●主力の南部と西部が減少―北東部と中西部は増加

●住宅価格(中央値)は前月比0.3%低下

 米商務省が25日発表した10月新築住宅販売件数(季節調整済み)は前月比0.3%減の年率換算99万9000戸と、9月の同0.1%増(改定前は3.5%減)から6カ月ぶりに減少したが、市場予想の97万7000-98万戸を上回った。季節要因を無視できる前年比も41.5%増と、9月の38%増(改定前は32.1%増)を上回った。6カ月連続で前年水準を上回り、06年の100万戸台に近い14年ぶりの高水準となっている。

 市場では、住宅ローン金利が過去最低水準(フレディマックの30年固定金利の平均約定は11月19日時点で2.72%)となるなかで10月の販売件数が前月比で減少したのは、住宅供給が依然タイトなため、住宅価格が依然高水準で購入にブレーキがかかったとみている。

 販売件数の内訳を見ると、着工前時点での販売件数、つまり、バックログ(建築許可が下りたあと、未着工となっている件数)は前月比19.6%増の38万5000戸と、前月の同2.9%増(改定前は5.3%増)から急加速し、6カ月連続で増加した。これは06年3月(39万4000戸)以来14年7カ月ぶりの高水準で、今後数カ月、住宅建築が活発化することを意味する。一方、建築中の新築住宅の販売件数は同1.5%増の34万8000戸と、9月の同14.5%減(同18%減)から増加に転じた。

 一方、10月の住宅価格は中央値(季節調整前)が前月比0.3%低下の33万600ドルと、9月の同3.2%上昇から低下に転じた。

 販売価格帯をみると、30万ドル以上の高額物件の販売比率が59%と、9月の61%を下回った一方で、15万-30万ドル未満の手ごろ物件の比率は9月の38%から40%に上昇し、低額物件にシフトした。

 地域別の販売件数は、全体の約6割を占め、販売件数が最も多い南部が前月比2.0%減の58万戸と、2カ月連続で減少した。また、全体の約2割を占め南部に続いて販売件数が多い西部も同1.5%減の26万9000戸と、6カ月ぶりに減少。一方、中西部は同11.2%増の10万9000戸と、最も高い伸びとなり、3カ月ぶりに増加に転じた。北東部も同5.1%増の4万1000戸と、増加に転じた。

 住宅供給面をみると、10月の新築住宅在庫(着工前や建築中の住宅も含む。季節調整値)は前月比横ばい(前年比13.4%減)の27万8000戸と、5カ月連続の減少に歯止めがかかった。これを10月の販売ペースで計算した新築住宅の在庫水準は3.3カ月相当と、1963年の統計開始以来、過去最低水準となっている。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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