大阪油化工業、将来の成長に研究開発支援を育成、アジア圏中心に海外開拓も強化

株式

2020/12/9 17:16

 混合物から目的とする物質を分離・精製する精密蒸留事業を展開する大阪油化工業<4124.T>は4日、オンラインで20年9月期の決算説明会動画を配信した。

 20年9月期の連結業績は、売上高が前期比3.4%減の10億5000万円、営業利益が同3.9%増の1億1100万円と、ほぼ前期と同水準を確保。新型コロナウイルス感染症の拡大により、4-5月に生産縮小を余儀なくされ主力の受託蒸留事業が伸び悩むなか、顧客から依頼された蒸留設備を製造するプラント事業が1億円以上の大型案件を含めて合計3件の案件を受注でき、業績を支えた。

 また、低迷した受託蒸留事業のなかでも、研究開発支援は順調という。代表取締役の堀田哲平氏は「17年10月のIPO(新規上場)以降、当社の知名度が非常に上がり、これまで取引をしていなかった分野の顧客からの引き合いが増えている。多くの研究開発テーマも抱えており、これがすぐに売上に直結するわけではないが、5年後、10年後に大きな力になるだろう」と述べた。研究開発支援では、高度な分析を要するものが多く、今後もこの傾向が続くとみている。これまで以上に高度な研究を可能とするため、開発棟の増築、拠点の拡充、人員の増強などを計画している。

 21年9月期は、売上高9億6800万円(前期比7.8%減)、営業利益1400万円(同87.1%減)と保守的な見通しを示している。受託蒸留事業は微増を予想するが、前期の反動もあり、プラント事業で7割近い減収を見込んだ。コロナ禍で先行きが見通せないなか、リーマンショック時の落ち込みなど過去の実績を踏まえ、「厳しい状況を踏まえて計画を立てることが肝要と判断した」(堀田氏)。

 既存設備の改善、新しい設備の増強のほか、海外企業との取引も強化していく考え。特に中国、台湾、韓国などいずれも蒸留を専門とする企業が少ない地域を集中的に開拓していく予定だ。

 3カ年の中期経営計画についても説明。3年間で既存設備の高性能化による対応品目の拡大、自動化による生産性の向上や安全性の向上、省エネ化によるコスト低減を図り、23年9月期までに、売上高12億5000万円、営業利益2億円を目指す。

提供:モーニングスター社

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